管理物件を獲得することは、仲介会社にとって、ある意味、重たい業務であるケースが多い。仲介業というのは、顧客接点からキャッシュポイントが極めて早いために、その場、その時で頑張れるが、物件獲得はそうではない。勿論、オーナー訪問をして、すぐに獲得できるケースもあるが、そういったケースは極めて稀だ。やはり何度か訪問して、オーナーとの関係を構築して初めて具体的な商談に移るケースが多いのだ。
とはいえ、名刺一枚持って、オーナー訪問を行ったところで、やはりこれはこれで最初は難しい。当然のことだが、オーナーにとっては、知らない不動産会社が営業に来た、ぐらいの感想を抱いてしまうだろう。知らない人間がいきなり知らない人間に営業をするには、かなりハードルが高いものだ。
しかし、実際の不動産会社にはこのケースが意外にも多いような気がする。とりあえず名刺一枚でオーナーに営業に行く。会社の訪問ノルマがあるため、なによりも早く外出し、1人でも多くのオーナーとの接点を持たなければいけない。これはこれで大事な部分もあると思うが、もっと効率化できるような仕組みを考えてみても良いのかもしれない。
物件獲得を始めるうえで、いくつかの方法がある。
DMを打ったり、紹介を貰ったりとさまざまな方法で物件獲得を行うが、実際オーナーにリーチした後の営業ステップもきちんと考えておかなければならない。今回は、見込みオーナーに会う際に準備すべき3つのポイントを紹介したいと思う。
1.自社の紹介ツール
企業案内でも良いが、できれば獲得用の企業案内のチラシなどがあればよい。自社の仲介件数や得意なエリア、また管理形態の特徴などを簡単なチラシ、パンフにする。企業案内だと、どうしてもこのあたりまでカバーできない。しかし「オーナー獲得のための管理案内のチラシ」があれば、確度は上がる。ちなみに管理獲得のLPページを作成している企業は、それを紙ベースに落とすと効率的だ。高齢のオーナーの場合、ネットリテラシーが低いかたが多いため、Webを見てくれないケースが多い。
2.獲得物件の掲載状況や競合物件の分析レポート
獲得したい物件が現在ポータルサイトでどのように掲載されているか、また同エリア、同じぐらいの築年数の物件などはどのような賃貸条件なのかを簡単なレポートに纏める。実際、このあたりの情報はオーナーにとっても、とても欲しい情報だ。仰々しい査定書ではなく、あくまで簡易的で見やすいもので良いので、これを持参し、説明することを心がけてみても良いかもしれない。
3.次のオーナーに会う機会を設ける
最初に募集や管理受託の話をして、あっさり断られ、その後、訪問しづらくなるケースが、結構多い。そんな時のために、必ずなんらかの「次に会う機会」を設ける。わかりやすいところであれば、オーナー相談会の案内、またお客様感謝祭などを設けたり、たとえば士業のかたの講習会などがそうだ。これは特にその時にオーナーが参加しなくでも良い。常にそうした案内ができることで、オーナー訪問のきっかけづくりになる。
不動産会社にとって管理物件をどのように獲得していくのかを決めることは、今後の戦略を策定するうえで非常に重要になる。
しかし戦略を重視するあまり、些細な営業ステップをないがしろにしがちだ。何よりも大切なことは、今までの自分の強みを整理し、オーナーが要望しているものをカタチにすることが重要だと思う。
ほんの些細なことかもしれないが、是非試してみてほしい。
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