不動産会社にとって、管理物件をどのように増やしていくのかは延々と考え続けなければいけない課題である。勿論、自身の事業は仲介だけ、または再販だけ、という考え方もあるだろうが、ここ近年は、かなり多くの不動産会社が管理物件獲得の必要性を感じているように見える。
当然、管理物件を獲得することで得られるメリットは大きい。
まず毎月売上が変動するフロービジネスからストックビジネスの転換点になり得るだろうし、またオーナーの相続案件などを取得できることもあるだろう。会計的にも売上計上の部分でインパクトをもたらすこともできる。
しかし、管理物件を獲得するには、ただ指をくわえているだけでは、何も進展はしない。
各企業が様々な打ち手を考えているなかで、そこからきちんと物件を獲得するにはそれ相応の戦略が必要である。
今回は、獲得の経路についていくつか纏めてみたいと思う。
1.エリアの人的ネットワークからの来店獲得
当然のことながら、近所の不動産会社、町内の不動産会社は、とても信頼ができる。何かあってもすぐに話すことができるし、今後の資産運用の話し合いもできる。
来店する段階でかなり楽に獲得することができるだろう。しかしながら、昔と違い、現在ではこのオーナー様の来店数というのは、あまり見込めることができないのも現状だ。
2.チラシ、DM
ターゲットを絞り、DMを送ることは、現在でも、かなり確度の高い方法である。オーナーは高齢者の方が多い。そのなかでキチンと刺さるDMを発送することは、とても効果的だ。しかしながら、これを運用していくのは、とても大変な部分もある。一回きりのDMではなく、継続性を持たせないといけない。内容も同じ内容では難しいので、これもアップデートしないといけない。
3.査定サービス登録などのウェブサービスを使う
査定サービスに登録したり、オーナーが見るシステムなどに登録する。問い合わせがあった段階で、査定等を行い物件獲得を目指す。勿論他社との競争があるため、費用対効果をきちんと考えて運用していかなければならない。
4.金融機関等の各方面からの紹介
取引している銀行の相続案件から査定を行うケースやまた建設会社、また設計会社からの案件獲得を行う。大口の案件を取ることができるため、とても重要なところだが、かなりの営業のコネクション、また強い競争力がないとなかなか案件は回ってこない。
5.同業他社からの紹介
他社からの紹介、たとえばAM会社、ファンドからの紹介や自身の商圏エリアが異なる場合の他社からの紹介や、はたまた事業譲渡などで獲得するパターン。当然、これもルートが必要だ。
6.投資事業からのトスアップ
ワンルームマンション投資などを行なっている不動産会社から、PM事業を請け負うケース。しかし実際は、投資事業からPM事業は自社内で完結しているケースも圧倒的に多い。
以上の6パターンが案件獲得の入り口になるが(実際は他にあるかもしれない)、いずれにしても簡単に取り組めない。かなり継続的に努力をしていかなければ案件獲得には繋がらない。たしかに管理物件を獲得すれば、安定的な収入は確保できるが、いざやってみると、かなり強いコミット力が必要になることを忘れてはいけない。
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