軍師たるものが必読すべき戦略の教科書5冊

 私は小学生の頃から歴史が大好きだった。当時(今もあるかもしれないが)、漫画で読む日本の歴史にハマり、それをかなり読んでいた。
 おかげで今ひとつだった私の成績も、日本史は比較的良い成績を修めることができた。
 小学校時代に好きだった歴史上の人物は、源義経、真田幸村だった。二人とも負けて終わってしまう人生だったが、その「戦上手」なところに惹かれていたのかもしれない。

 大人になり、しばらくして司馬遼太郎にハマり、たくさん彼の本を読んだ。
 そのなかで感銘を受けた登場人物が「坂の上の雲」の秋山真之、「花神」の大村益次郎、そして「播磨灘物語」の黒田官兵衛だった。
 
 要は子供の頃から大人になるまで軍師、軍略家に憧れていたことになる。

 ちなみにその後、自分の歴史好きは加速し、史実を追った本や古文書を読み漁り、そしてたまに旅行に行けば、遺跡、お城巡りをしたりするようになっている。将来は、このあたりの勉強を徹底的にしていきたい。

 そんな私も、歴史の本以外にビジネス書などを読むようになり、いろいろな企業の運営方法などを勉強するようになった。
 そうしてそのようなビジネス書を読めば読むほど気付いたことがある。

「戦争と一緒じゃん、これ」

 なぜ企業戦略が実際の戦時戦略と一緒なのかは、いくつか理由があるが、戦略、戦術が軍事言葉であり、またその言葉が経営を遂行するうえで重要なところに位置付けられているだけでもそれなりの理由の回答になっている。
 ある意味、企業活動においては、「戦争」と似ている部分は往々にある。あまり良い言葉ではないが、実際にその通りだから仕方がない。しかも企業戦争は、普通は血が流れない。そう考えると、我々は極端に言えば究極の「戦争ごっこ」をしているかもしれない。ある種、我々は贅沢な時代を過ごしている。

  さて、歴史上には有名な戦略論や軍事論があり、またそれに付随する研究書も沢山出版されている。
 それらは、時を超え、今やビジネスマン必読の書になっているものもあれば、歴史の彼方に追いやられている書もある。

 しかしそれでもやはり戦略を遂行するという部分では往々にして現代でもとても役に立つ本は沢山ある。
 個人的に今でも数年に一度は、ほぼ読み返す戦略書、歴史書を紹介したい。私の愛読書の5冊だ。

 割と有名な本が多いので知っている人も多いだろうが、そうは言っても、かなり内容としては、重く、読みづらいものもある。
 しかし戦略家を目指す人は必読の書であることは間違いではない。

 是非一度参考にしてほしい。

 ちなみに、選定に偏りがありますが、ご了承ください。


 

1.君主論/マキアヴェリ

「人はただ結果だけで見てしまう」「加害行為は、一気にやってしまわなくてはいけない」「愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である」等の文言で、目的のためには手段を選ばない権謀術数の書とレッテルを貼られ「マキアヴェリズム」という言葉を生んだ古典的名著の隠された真髄。

2.孫子/孫子

『孫子』13篇は,中国最古のすぐれた兵書である.しかし,そこに記された戦略・戦術の論議における深遠な洞察は,ひろく人生全般の問題に適用しうるものである.

3.戦争論/クラウゼウィッツ

比類なき戦略家としてナポレオンを撃破したプロイセンの名参謀クラウゼヴィッツ。その思想の精華たる本書は、ミリタリズムの域を超えて、あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブルである。

4.失敗の本質 日本軍の組織論的研究/戸部良一他

大東亜戦争での諸作戦の失敗を、組織としての日本軍の失敗ととらえ直し、これを現代の組織一般にとっての教訓とした戦史の初めての社会科学的分析。

5.ドイツ参謀本部-その栄光と終焉/渡部昇一

 ビスマルク首相、モルトケ参謀総長の下で「史上最強」といわれた集団組織はいかにして作られ、そして消滅したか。その歴史を調べることは、とりもなおさず究極の組織論、リーダー論につながる。さらにリーダーを政治家、スタッフを軍部(自衛隊)に置き換えれば、そのまま現代の日本の理解ともなり、「文民統制」のあり方を考えるヒントともなる。ドイツ参謀本部は、まさに教訓の宝庫である。




 孫子の兵法を活用する。


 インフラ整備による歴史の転換とは?