不動産会社さんの目標として、いかに既存の空室をどれだけ早く埋めていくか、というのは、よく聞く共通の目的だ。そして空き家問題は、よくメディアで取り上げられるように社会的な問題となっている。
この空き家や空室の状態というのは、とても大きなリスクがあり、様々な損失を生み出している。
まず、当然一戸建てや所有物であれば、税金や費用の問題。持っているだけで発生してしまう固定資産税やマンションの場合の修繕積立金や管理料など、様々なコストが発生してしまう。
また賃貸であれば、空室の場合、より収益のマイナス化になり、稼働率という部分でデメリットが生まれてしまう。
ここで忘れがちなのが、空き家や空室などが発生した場合、なんとか早く埋めないといけないと考えてしまうのだが、実際には、「手を入れないと朽ちるスピードが早まる」という視点も忘れてはならない。
実際に全ての部屋を閉め切った状態だと、空気がこもり、匂いや結露の原因になりやすい。定期的な空気の入れ替えは必ず必要である。これは、ただ換気をした方が良い、というイメージだけではなく、実際に科学的にも空気の入れ替えをしないと物件の老朽化が進む、ということが、実証できるポイントになっている。
除塵という空気の汚れがこもることで部屋の老朽化を招いてしまう。老朽化が進み空気がこもり続けることで物件はより古くなり、朽ちるスピードは速くなってしまう。
人間は空気に関して、我々が思っているよりも敏感である。自然のマイナスイオンを浴びるために旅行に出かけたりするように、心理面でも大きな影響を受けやすい。そう考えると、お部屋探しのお客様が内見をした時に、こもり切った除塵が蔓延しているお部屋を内見した際、なかなか申し込み頂くことは難しいのかもしれない。
空き家に関しても、例えば放置され続けている空き家よりも、たまに掃除をし、空気を入れ替えていくだけで、建物の老朽化の予防になる。
空き家をどのように処理していくか、また空室をどれだけ減らしていくか、という議論もとても大事だが、もしかしたら空き家、空室をどのように管理していくのか、という論点も忘れてはならないのかもしれない。
きちんと管理されている空き家、空室だからこそ様々な有効活用の策が打てるのではないだろうか。
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