営業が終わった後に、人はよくグッタリする。当然といえば当然で、普段使わない気をつかい、また答えを探るために脳を使う。疲れるのは当然だ。普段の会話では、まずそんな疲れ方はしない。唯一ある似たような疲労だと、口喧嘩だろうか。家族や恋人や友人と口論した後にぐったり疲れることが多い。
この脳の疲労は、簡単にいえばストレスだ。
強いストレスは、脳内の処理が爆発的に増えてしまい活性酸素が発生し、疲労を引き起こす。
では、何故このようなストレスを感じるのだろうか。
これは人間の「わからないこと」に対するストレスが原因あるように思う。
逆に相手の心情が「わかっている」ことができれば、ストレスは軽減できる。
実際、面白いやり方で、ストレスなく営業をおこない続ける人と話したことがある。
職種によるだろうが、普通の人は、例えば朝から晩まで営業活動、また商談が続くととても疲れるが、その以前会ったかたは、あまりその疲労を感じないようだった。
そのかたは、1日ありえない程のアポイントの数をこなし、夜も全く疲労感を感じさせず、活動していた。当然、疲れないんです?と聞いたが、いや全く、と答えていた。
そしてその彼に、以前、コツのようなものを聞いたことがある。
今回、その方法を紹介する。
1.商談開始時に相手の求めるゴールと自分の求めるゴールを認識する。
だいたい商談当初の場合、客先が自分に求めるものと、営業側が求めるものは異なる。それは当然のことだ。例えば客先は、「買うか買わないか決めたい」という心理状態になっているケースが多い。そして営業側は、「買って欲しい」という心理で営業する。その認識の違いの段階でストレスになるようだ。
しかし商談前に先方と、こちら側の心理の違いをしっかり認識すると、不思議とストレスが無くなるらしい。
もっとわかりやすくいえば、客先に行く段階で顧客の心理をいかにしっかりと把握しているかどうかということが重要になる。
2.お互いの心理状態の認識とゴールの答え合わせをする。
商談が始まると、先方とゴールの答え合わせが始まる。その際に相手側の心理に「寄らないよう」にする。ヒアリングは重要な営業の要素だが、そこでこちら側のゴールを見失うケースが往々にしてある。よく言われる「御用聞き」になってしまうケースだ。
しかし、しっかりとこちらのゴールをブラさなければ、混乱に陥いることはない。こちら側のゴールと、相手側のゴールの答え合わせをこの段階で始めることで、きちんとした提案ができる。
3.お互いのゴールのすり合わせが終わった段階で、次回の予定を立てる。
ゴールすり合わせが終われば、この段階で建設的な進め方を考える。そうすることで、次のステップが生まれる。これで営業終了だ。
たしかに言われてみれば、例えば恋人同士の喧嘩など、まさに認識の違いから発生するケースが多い。お互い理解しているという前提で話をすると、齟齬が生まれやすく、そして感情的になってしまう。
しかし、恋人の要望と、自分の要望の違いをしっかり把握するだけで、お互い歩み寄ることができる。
また、営業に関していえば、門前払いのような状態も往々にしてある。
これは、「忙しいからさっさと帰って欲しい」という先方の要望と、「次のアポイントを取りたい」という認識の違いから発生するケースが多いだろう。そこで営業側が、頑張ってセールスをして「あ、興味を持ってくれたな」という状態まで持っていっても、ゴールの擦り合わせは終わっていない。あくまで営業側の「次のアポイントが取れるのか」というゴールには達していないし、また擦り合わせも終わっていないのだ。
このように冷静に考えると、たしかにそこまで心理的な負担はかからないように感じる。
「人間は違ったもの」という前提と、それを踏まえたうえで相手の心情を理解することは、とても大事なところだ。「なぜわかってくれないんだ」が、なかなかのストレスだということを理解し、それに対しての対応策を考えれば、割と気軽に営業ができるかもしれない。
是非、一度試して見てほしい。
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