本格的なGWに突入したが、残念ながら今年は旅行にもキャンプにも行くことができない。私も今年は徹底的に家にいるように努めている。そうはいっても、諸々の細かい仕事や、やるべきことがあり、なかなか丸一日暇な日というのはないわけだが、それでもやはりそれなりに時間はある。
毎朝、犬の散歩をしたり、デスクワークをしたり、勉強をしたりしているが、なかなか時間を持て余すことも多い。世の中ではリモート飲み会なるものが流行っているが、私は家族がいるので、あまり乗り気にはならない自分がいる。やはり、家の外で容赦なくビールを飲み、大声で下世話な話をする飲み会が好きなのだ。あまりにもプラスにならない、なんだかよくわからないグダクダの会話、馬鹿話が一番のストレス解消になる。そこにカラオケボックスにでも行って、ブルーハーツやら永ちゃんやら安全地帯やらを大声で歌えれば、フルコースでストレス解消は完了だ。
しかし、今年はそうはいかない。上記のようなことをするのは、完全にNGだ。なかなかストレスが溜まっていくような気がしないでもない。
そこで、家にいることでも希望が持てることになるような映画を今年は見るようにしよう。限られた空間、状況のなかでも、人は夢を見ることができる。そんな抑制された状況、また肉体的にも心理的にも限定的でありながらも、心がほっこりする映画を今回は紹介したい。
1.南極料理人
人が住んでいないところ、それはシンプルに言えば超自然な場所、南極である。1年にわたる南極観測隊員の南極基地での生活模様を映像化している。これこそまさに究極のstay homeだ。面白いことに、この隊員たち、赴任した当初は、格好もこざっぱりしているが、だんだん髭は伸び放題になり、着るものにも気を使わなくなる。まさに現在の世界の人々の様相の変化を見ているようだ。そして彼らは、ひたすらメシを食う。置かれた状況下のなかでメシを食い続ける。きたろう扮する隊員が、病的にラーメンに固執するシーンは、笑えるところではあるが、今見るとゾッとする。
stay homeのなかで、食事の大切さや、家族の有り難みがわかる傑作映画だ。
2.LOVE LETTER
死んでしまった彼氏の実家に送った手紙から返信が来るという不思議なスタートで始まる岩井俊二監督の傑作邦画。私の人生でもベスト5に入る映画である。この映画の主人公のひとりである中山美穂扮する藤井樹は、風邪のためほとんど家から出ない。過去の思い出を回想しながら、ずっと手紙を書く。このような時期だからこそ、自分の忘れていた甘酸っぱい過去に思いを馳せるのもよいかもしれない。
3.海の上のピアニスト
ニューシネマパラダイスを作ったトルナトーレが監督をしたティムロス主演の映画。この主人公は、題名通り、船の上でその生涯の大半を暮らす。出会いや別れもありながら、その演奏は海上だけではなく、地上である民衆にも知られることとなる。ちなみに、現在のテクノロジーの技術により、我々は自宅にいながらも、動画配信をすることができる。ある意味、限定された場所から自分の芸術的な才能を発信することは、この作品のティムロスに相通じるものがあるように感じる。
4.ターミナル
法律の隙間から空港で長期間過ごさざるを得なくなった男のストーリーを描くスピルバーグ監督の作品。あまりにも理不尽な状況下でも、その場所に留まざるを得ないことの悲喜交々をうまく表現している。今回の自宅待機要請も、まさにいきなりの不条理であるとも言える。そんななか、どのようにその場所で楽しむことができるかが、とても大切だ。与られた制限下でも、楽しく生きることを教えてくれる良作だ。
5.カンパニー・メン
これから起こるであろう未曾有の不景気により、多くの人々が職を失うであろう。この映画は、リーマンショックの際にリストラされた男が、再生するまでのストーリーを描く映画だ。現在、家族がいるビジネスマンがこれを鑑賞すると、かなりの確率で感動するのではないだろうか。
また主人公の義理の兄役で出演しているケビンコスナーがとてもよい味をだしている。
家族の大切さと、生きる希望を教えてくれる名作。
ということで、なかなか厳しい状況が続くが、そんななかでも人生の楽しみや希望に気づかせてくれる上記5作、時間があるときに是非鑑賞してみてほしい。
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