この1年程度で国内でもNetflix加入者が増えてきて、巷の話題が地上波のドラマの話題ではなく、配信型サービス制作のドラマの話題に変わったのは、ある意味時代を象徴であるような気がする。
最近では、Netflixの韓国ドラマの「愛の不時着」が話題になっている。その少し前は日本制作の「全裸監督」だろうか。このような配信系ドラマは、全部のストーリーをいっきに鑑賞できることが大きなメリットだろう。昔は、レンタルビデオでビデオなりDVDをまとめて借りてきて、いろいろと返却やら何やらが面倒だったのだが、全く便利になったものだ。
少し前にNHKオンデマンドという配信サービスに加入した。(正確には再加入した)
そこで空いている時間に大河ドラマを見ている。日本では、ドラマといえばなんといっても大河ドラマである。その時代の旬の作家が脚本を描き名優たちが、旬の役者が渾身の演技を、見せる。しかも舞台は、日本人に人気の戦国時代や幕末の時代がテーマとなることが多い。今更ながら、日本を代表をするコンテンツであることは間違いない。そして、作品の制限はあるものの、これをNHKオンデマンドで一気に見られるのは、まさに夢のようなことである。
歴史好きのある一定の人間にとっては、大河ドラマはライフワークである。かくいう私も小学校の時に見た「独眼竜政宗」からのヘビーユーザーである。毎週日曜日はほぼ大河ドラマを見ている。そのかで様々な人間模様や生き方など、多くを学ばせてもらっている。
ただ、なかには挫折するものもある。近年では「花燃ゆ」は多分5話で挫折したし、「いだてん」も10話まで持たなかった。これは作品のクオリティというよりも、どちらかといえば嗜好によるところがあるだろう。
ちなみに、現在残念ながら休止中の今年度大河ドラマ、「麒麟がくる」も毎週欠かさず見ているが、これはこのままのテンションの内容だと、私的だが大河史上でも屈指の傑作になるのではないだろうかと思う。早く再開して、がっつり本能寺の変を描ききってほしい。
こうやって数十年も見ていると、最後まで引きつけられる大河ドラマというのは、大きく2つの魅力のどちらかがあるように感じる。とても単純なところかもしれないが、
・主人公自体が魅力であるケース。主人公のストーリーや生き方自体、強く惹きつけられる作品
(龍馬伝の龍馬、慶喜の徳川慶喜、風林火山の山本勘助、篤姫など)
・主人公に影響を及ぼす、準主役、脇役の存在
(独眼竜政宗の北大路欽也、勝新太郎。真田丸の草刈正雄、新撰組の堺雅人など)
ドラマによるが、これは主に50話のなかで10話〜20話程度、主人公と併走しながら出演する。
今回の「麒麟がくる」のもっくんもこの系譜のような気がする。
主人公の魅力でぐいぐいと引き込まれるケースもあるが、脇役の演技の凄まじさに震えるケースもある。いずれにしても、毎年の楽しみであることは間違いない。
そんな私のなかでこれはと唸った傑作大河を纏めてみようと思う。(大河ドラマはひとりひとり思い入れがあるので、順位には、かなり個人差が出るだろうが)
5位 西郷どん
西郷隆盛を新しい視点で描いた傑作ドラマ。とにかく脇役の演技が凄まじい。島津斉彬を演じる渡辺謙。岩倉具視を演じる笑福亭鶴瓶。そして永遠のライバルである大久保利通を演じる瑛太。
誰しも知っている西郷隆盛を影響を与える周辺の人物にスポットを当てながら、ここまで描き切ったドラマはないのではないだろうか。
4位 軍師官兵衛
私の歴史上、一番好きな人物は黒田官兵衛だ。戦国時代、屈指の頭脳を持った戦略家でありながら、天下を取れなかった男。とにかく岡田准一の官兵衛が魅力的だ。特に、本能寺の変後に竹中直人扮する羽柴秀吉に今後の動き(中国大返し)を進言するシーンは大河屈指の名シーンだろう。
3位 坂の上の雲
特別大河ドラマではあるが、素晴らしい作品なのでこれをランクインさせた。司馬遼太郎の傑作「坂の上の雲」を完全映画化した作品である。
とにかく最終話、日本海海戦までにも日清戦争や203高地など、迫力の名場面が勢揃いである。日本人の誇りを感じる傑作ドラマである。
2位 真田丸
多くの日本人が好きな歴史上の人物、真田信繁を描いた三谷幸喜脚本の傑作ドラマ。大きくこのドラマは4つのパートに分かれている。最初のパートでは、青年時代の信繁。二部では成長するものの、上杉家に奉公したり時代の荒波を感じながらも、世の中の出来事に右往左往する信繁。そして三部で大阪城で歴史上の人物たちと交流を持つ信繁。
ここまでで放送開始から約9カ月である。9カ月間、ほぼ密室劇で持たせた三谷幸喜の脚本も、周りを固める役者も凄いが、とにかくラスト3ケ月の大阪の陣で、一気に物語が盛り上がる。おそらく一年のピークの持っていき方、予算の投入(多分)など全てをこの3か月にかけていたのだろう。
魂が震える傑作大河ドラマである。
1位 龍馬伝
日本人に一番人気のある坂本龍馬を主人公にしたこの作品がトップだ。もはやクオリティは映画レベルである。そしてひとつひとつのストーリーがどれも傑作であり、無駄な捨て回がほぼ無い。福山雅治扮する龍馬もさることながら、武市半平太を演じる大森南朋や岩崎弥太郎演じる香川照之なども圧巻の演技である。
大河の後半になるにつれて、このドラマが終わるのがとても寂しかった。今いちど時代を変えた英雄のストーリーを見直してほしい。
ということで、海外ドラマ、配信ドラマも良いが、日本には大河ドラマがある。
改めて日本を代表するコンテンツを見返してみるのも良いのではないだろうか。
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