2020年の不動産投資は?

 このコロナ騒動で、確実に世界は変わりつつある。症状が重い、軽いなどいろいろな意見があるが、いずれにしても世界中が、過敏になり、そしてその不安が外出禁止などを引き起こし、世界経済は大きな停滞を起こしている。
 まだ諸々の詳細な数値は発表されていないが、各経済指標数値はとにかくとんでもないマイナス数値になるだろう。それがまた不安感を引き起こし、どんどん経済は破壊されていく。
 ちなみにそのような状況に政府が対応するのが金融緩和なのだが、これがどこまで今回、市場で作用されるかは謎である。

 ちなみにこれが最新の不動産公示価格だ。
 当然のことながら、コロナショックの前の状況である。


 さて、現在のこのような経済状況で一番影響が出るのが早いものが株価である。株価はご存知の通り、連日大暴落をしている。それは日本のみならず、各国の市場、ほとんど全てだ。投資家は、この一連の騒動に対して、とにかく脱出を試みている。そして経済の「底」がどこなのかを注視している。控えめに見ても、もう少し下がりそうだ。そして底が続いた後、緩やかに回復基調に戻るのが経済の常である。ただし、今回その時間的な認識を正確にできている人は、いないだろう。

 さて、では不動産はどうであろうか?

 あくまで経済と連動する、もっと言えば株価と連動するのを前提として考えるならば、不動産価格は下がっていくだろう。特に都心の不動産価格は、日経平均株価と連動性が高い。
 しかしこれは経済全体としても言えることだが、「どこの不動産」が暴落するのか、また「どこの不動産」がそこまで影響を受けないのか、もっと言えばそれでも価格が上がる「不動産」はどこなのかを考えなければいけない。
 総和としての不動産平均価格は下がるにしても、何も全てが下がるわけではないのを改めて理解しなければいけない。

 あくまで私見だが、地方のインバウンド狙いだった不動産は暴落する可能性が高い。暴落をもう少し基本に立ち返り具体的に考えると、
 稼働率の急激な低下→オーナーの支払い滞る→投げ銭で売る→売れない→オーナーバンザイ→金融機関の差し押さえ→競売→売却価格
 ということになるだろう。
 しかし、では買い手がつかないかと言われれば決してそんなことはない。このような不良債権でも購入する業者、投資家はいる。そしてホールドしたまま値上りのタイミングで売り抜ける猛者が出てくるのも間違いない。
 またいっぽうで、首都圏の賃貸住宅価格はそこまで下がらない可能性があると思う。特に首都圏マンション一棟レジは大幅な下落はないかと思う。相変わらず首都圏の賃貸住宅は需要過多な部分があり、今、感覚的には賃料は緩やかに上昇している。それと同じ理由でワンルーム投資もあまり価格が下がることはなさそうだ。
 しかし新築住宅価格、実需中古住宅の価格はかなり価格下がるのではないだろうか。そもそも増税のインパクトがあり、コロナの影響もあり、ただでさえ、客足が途絶えている状況で、この消費冷え込みムードは相当厳しい。おそらく消費系の政策金融緩和の後に、住宅購入の際の大幅な減税対策などが打ち出されるかもしれない。しかしながら、そもそも家を買う人の総数が減っているので、はたしてどれほどの効果が期待できるか不明である。

 また商業ビルはどうであろう?ご周知のように今やどこのデパートもガラガラだ。そしてそれまでインバウンドの観光客に買い支えられていた一本足打法が崩れてしまい、かなり厳しい状況になる。
 これも結局具体的に考えると、商業ビルの賃借者が破綻→新たな賃借人を募集→顧客がつかない→賃料が下がる→新たな賃借人を獲得→売却の際は取得金額より低い、なんてことが多発するような気がする。また商業ビルが自己保有の場合も、売りに出される可能性は高いだろう。
 ちなみに、オリンピックは予定通りにはもう開催しないだろう。問題は誰が「やめる」と言うかの綱引きゲームを誰が終わらせるかの問題のような気がする。

 不動産のこのような暗い未来は、おそらくこれから半年から1年後に現実化される。不動産価格が下がっているな、と一般的に感じられるころには、日本経済は相当な落ち込みになっているに違いない。
 全体の住宅需要の下落、無くなったインバウンド事業の影響で全体の不動産価格はかなり下がることが予想される。

 勿論、これらのことは、1つの妄想に過ぎない。

 実際、経済状況や景気など読み当てられるほど私は賢くない。ただの希有であってほしいと願っている。