フリーランス、独立自営で生きていくために最低限必要な条件

 この数年で本当にフリーランスや何社かを業務委託で兼任する人たちは増えてきた。

 しかしながら、これは決してメジャーな働き方ではない。社会は、大きな企業の仕組みで動いており、あくまでそれが大半を占めている。そのなかで独立自営、もしくはフリーランスで生きていくことは、相対的に見ればやはり独特なものなのかもしれない。
 とはいえ、やはりその総数は増加しているように感じるし、またそれ自体を語ることにも抵抗感が無くなった。今後もフリーで働く文化は世の中に浸透していくことだろう。
  
 よく周辺のかたから言われることがある。
 「上司、部下がいないと楽で良いですね」
 たしかにそうかもしれない。
 
 ただ、そうはいっても実際は大変なところもある。まず、休日は殆どない。はっきり言って大小問わなければ、350日ぐらい働いているような気がする。昼夜問わず色々な対応もあるし、そこに逃げ道はない。全ての書類を自分で作らなければいけないし、自由な時間と仕事の時間をキチンと律していかなければ、とても長続きできるものではないだろう。

 しかし、そういった煩わしいことを差っ引いても、フリー、独立した働くことは、ある種魅力に見える。仕事のストレスの大半は、人間関係だそうだ。そのストレスが少なくなることは、とても魅力的に見えるだろう。
 
  いざ、フリーになった時、その時は開放感を感じ、ストレスフリーになるが、実際、継続性がなければいけない。
 フリーランスや独立する際、必ず忘れてはならないポイント、もっとストレートに言い換えれば「この辺を押さえておかないと、飯が食えなくなる」というリアルなポイントがあるように感じる。

 表面的に自由に見えても、飯は食わなければいけない。このあたりを忘れてしまうと、かなり厳しい状況に追い込まれてしまうだろう。
 今回は、独立、フリーランスで生きるために必要なポイントを纏めてみた。

営業力
 いくらで腕が立つ技術者がいても、それなりに自分のスキルを売込まなければいけない。売り込むのがイヤなのは、誰しも同じだ。しかしながら、営業活動は決して疎かにしてはいけない。自分の空いている時間のリソースをどのように営業に活かすかを常に考えなければいけない。

人脈
 人脈が必要か不必要かの議論以前にまず人と人と繋がりがなければ、大前提として仕事の発注が来ない。これもよく陥るパターンだ。まず独立、自営するならば、人と人との関係性は現実的にとても大切なところである。これを偏った人脈に頼ってしまうと、普通に働くのと大差がなくなってしまう。

発信力
 これが一番大切なことかもしれない。大企業やそれなりに大きな企業にいた人間が独立する際、この発信力が弱い傾向にあるように感じる。当然といえば当然だ。以前は何もしなくても誰かが自分の属する会社を売り込んでいた。しかし、独立したらそんなことは誰もしない。あくまで自分で発信し続けるしかないのだ。正直、発信し続けるのは骨の折れる作業だ。しかし、この発信力こそが自分の名刺がわりとなり、営業行為となる。

自分の強み、弱みを理解する
 自分の市場の価値はどれぐらいなのか、また自分の強みを理解できているのかを棚卸しできているかが重要だ。
 この辺を甘く捉えてしまうと、あっという間に市場競争から負けてしまう。この強みを伸ばし、弱みを理解しておくことで、自分の攻めるべきところが理解でき、いろいろな打ち手を講じることができる。

 「自分の力を試してみたい」とおそらく日本全国の企業で、辞意を伝える若者がいるだろう。
 試すのは、全く問題ないが、試す手段と方法が無い状態だと、かなりの確率でうまくいかないような気がする。

 どんな名曲を作っても、リスナーがいなければその歌は流行らないように、今一度、自分の足元を見直し、三方よしの状態で独立、自営するのも良いのではないだろうか?