今更の感じはあるが、2019年になり、不動産市況は明らかに別のフェーズに変わったと感じる。現場としての市況感は昨年の夏頃から秋口にかけて変化が顕著になっているが、それがようやく数字に表れてきたように感じる。
販売物件のダブつきや不動産投資ローンの厳格化などで、流通スピードが遅くなっているようなイメージだ。
また賃貸市場に関しては、都心は昨年に引き続き在庫の少なさが表面化している。どの企業も紹介できる物件の少なさを嘆いている。
またそれと同時に引越し会社の人手不足から、昨年とは比べ物にならないほど、引越し会社の手配が困難になっている。3月終わりの都心の不動産が紹介できなくなっているのと同時に、仮に物件を決めることができても、希望日に引越しができない状況が多く見られる。
このような状況が進めばどうなるのだろうか?
単純に供給過多になり、不動産価格は下がっていく。そうすると、焦げ付き物件の在庫が増えていくイメージだ。
たしかに、この数年は、不動産市況は控えめに見ても活況の様相だった。金融緩和が始まった5.6年前からだろうか。その時も明らかに不動産市況の潮目が変わったと感じた。
それとは全く逆の潮目の変化が現場では大きく起こっているような気がする。しかしそれは先述したように、もう半年以上も前から既に起こっていることだった。
どんな業界であれ、変化を一番最初に感じるのは現場だ。
それは顧客の生の声をダイレクトに聞くことができるからだ。しかしながら、組織が大きくなると、「あくまで少数意見」として一蹴されることが多い。
企業の今後の打ち手として、大きな数値結果を基に打ち手を講じるのは決して間違いではないが、その数値が出揃うまでのタイムロスを忘れてはいけない。
どこよりも早く変化のシグナルを感じ取ることができるかが、今後の企業の命運を分けるのかもしれない。
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