日経平均が下がり続けた場合の不動産市況は?

 どうもこの数日の株価はとても懸念要素が高いと感じる。ついに平均株価が20000円を割り込み、ニュースでも大きく取り上げられているようだ。
 この原因は報道されているように、米国の株安の影響が大きいのだろう。具体的に言うと、FOMC政策の米国の利上げ、また米中摩擦、そして原油価格の下落などが上げられる。
 景気というものは面白いもので、一概にこれが原因だと言われるものはなく、空気感や相関性が微妙な状態で絡み合い数字に影響を与えている。数学的であり統計的だが、そこには人間の分析できるレベルを超えたものが大きな要因になっている。

 さて、このまま日経平均が下がり続け、消費税が増税されると、日本経済はかなりマズイ状態になるだろう。そもそも消費をしない構造に現在日本はなっていて、消費が循環しないと当然景気は良くならない。かなり悲惨な状況になるのではないかと思う。
  しかしながらこのような景気動向は、正解は誰にもわからない。来週の年明けには持ち直しているかもしれないし、逆に悲惨なことになっているのかもしれない。

 ちなみに日経平均が下がり続けると、当然不動産市況にも沢山の影響がでる。

 ひとつは、金融機関の引き締めに端を発する不動産投資の冷え込み。不動産投資案件を積極的に推進させるのは、あくまでお金が回っている状態が前提だ。今年、スルガ銀行の問題で、ただでさえ、不動産投資には慎重になっているのに、さらにそこに追い打ちをかけるとかなり厳しい状況になる。
そうすると当然、不動産価格は下落していく。

 また、さらにそこから端を発するタンス預金の引き出しの減少もより拍車をかけるだろう。日本の高齢者には現預金が沢山あると言われているが、それを投資に回すという意識は、他国よりも少ないと言われる。特に田舎の大地主さんなどは、全部、もしくは一部分の土地を売り、都心部のマンションを買ったほうが積算価格を考慮しても相続税効果が期待できる。しかしながら、その不動産投資自体に引き締めが入ると、なかなかこのような投資をする気にはならないだろう。

 またこれは過去の経験した例だが、日経平均が下がり続け、景気か悪くなると、まず外資系企業の日本在留数が減る。そうして高額の賃貸マンションに空きがでる。またファンドは満室状態で売り切るため、高値の広告宣伝費を客付側に払い、早期満室を目指す。
 またさらに今以上に、出張などの一般企業の移動が少なくなり、賃料は下落傾向に向かう。

 バブル崩壊は金融機関の引き締めが端を発したものだと言われる。現在の日本は好景気だ。
 しかし、不安要素はバブル時代より、多くある。少子高齢化、地方問題、労働生産性の低下、中国の影響等々。ここで景気が冷え込んでしまうと、浮き上がるのはかなり大変だろう。

 今後は市況を注意深く見ていきたい。