ベタですが、新人は、まずクリティカルシンキングを会得すべき

 殆どの経営者、事業家、そして優秀な管理職のかたは、行なっているが、まだまだ社会人経験の浅いかたや、また営業が苦手なかたは、実行できていない「クリティカルシンキング」。
 まず、いの一番に、この思考法をマスターすることが、社会人にとって大事なことのように思う。
 
 このクリティカルシンキングを持ったかたと打ち合わせをすると、当然、最適な結論が出やすい。しかし、このクリティカルシンキングを会得していないかたとお話しすると、話は平行線を辿り、なかなか結論に向かわない。勿論、そこは致し方ない部分があるので、ひとつひとつ議論を解きほぐしていく。しかし、残念ながら時間は膨大にかかってしまう。

 では、クリティカルシンキングとはどのようなものであるか?
 一般的にクリティカルシンキングは、「批判的解釈」、つまり疑いの目を見て物事を捉えること、と言われている。
 しかし、これだけ見ると、なかなか難しく感じてしまうが、実際は、もっと単純で、「本質的か否か」で物事を見る、ということだ。

 つまり、具体的にいうと、以下のようなことを議論のなかでチェックしていく。

・議論のなかで自分の思考に偏りはないか?

・議論のなかで相手の思考に偏りはないか?

・この議論自体の本質は何だろうか?

・その結論は、本質的な解決策は導き出しているのか?

 という基本的なツボを押さえていく。
 これだけ読むと、実に簡単に聞こえるが実際は、とてもこのクリティカルシンキングをしていくのは難しい。

  なぜなら年を取れば取るほどバイアスがかかってしまい、議論の論点がすり替わる場面がとても多いのが実情だからだ。ある種、これを続けていくと、世の中は前提条件や解釈がいかに多いかがわかってしまう。
 しかしながら、本当に大事な決定を行う際は、この思考法は必ず取り入れなければいけない。

 場の空気という言葉があるように、日本人はとても雰囲気を大事にする。そして大事にするだけならまだしも、そのまま結論や決定事項が空気に流されてしまいがちになる。そうすると、決定事項の精度は薄まり、より間違ったバイアスが生まれてしまう。
 そうならないために、常に本質的な答えを探し求めなければいけない。

 しかしながら、笑い話かもしれないが、このクリティカルシンキングに対しての弊害も少なからず、ある。
 まずひとつは、議論の結論が出しにくい。要は次のアクションの打ち手が見出しにくいことがあげられる。なので、クリティカルシンキングを実践する際は、次の打ち手やマイルストンは意識的に設定しなければいけないだろう。
 またもうひとつは、単純に周りに敵を作りやすい笑。何せ場の空気を壊してしまうことが多いため、一瞬空気は凍る。
 さらにいえば、恋愛などは、そもそもがバイアスの世界のため、クリティカルシンキングを突き詰めてしまうと、恋愛的にはアウトだろう笑。幻想の世界を突いたところで、そこは悲しい現実しか生まれない。

 しかしながら、それでもクリティカルシンキングを磨き続ける戦士のようなビジネスマンは、現代ではとても貴重な存在だ。

 嫌われようが、批判されようが、本質を追い求める姿は、とても頼もしいし、憧れる。世の中の企業でもそういうかたは、重宝されるべきだ。

 是非、新人のかたもクリティカルシンキングを身につけて欲しい。
 勿論、使用用途に気をつけて、だが。

 
 
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