サニーディサービスを聴きながら

 先日、サニーディサービスの丸山晴茂さんが47歳という短い人生に幕をおろした。
ずっと体調不良ということは聞いていたが、まさかこんなに悪かったとは。
思えばサニーディサービスというバンドは、特異なキャリアをもったバンドだった。90年代の終わりにデビューし、はっぴいえんどなどの良質な邦楽と、際立ったソングライティングであっという間にシーンをリードする存在になっていた。しかしながら残念なことに2000年を過ぎた頃解散し、そして約10年の時を経て再結成し活動を行なっていた。

僕のようなアラフォーの世代にはたまらない思い出がある人も多いのだろうか。
いつもサニーディサービスを聴くと、当時学生時代を過ごした京都の部屋を思いだす。しかも真夏のムシムシした夜の日や、静寂に包まれた明け方の真夏の朝だ。
彼らの音楽は、外に出て行動を起こそうと背中を押すようには感じなく、内側を覗き続けそのなかから煌めきを見出し、そしてゆっくりと意味のない人生に意味をもたらすような不思議な音楽だった。
そんな感覚を覚えてしまう音楽を奏でるサニーディは、まるで僕達の世代にとってまるで遠く離れた友人のような気分にさせる。
再結成をした時も、同級生が再会してバンドを組んだようなどこか懐かしいような気持ちになった。

今、ファーストアルバムからぶっ通しでサニーディサービスを聞いている。
まるで田舎から上京した時の俯きがちの若者のようなファーストアルバム。そして、都市と文学と音楽の喜びに溢れたセカンドアルバム、「東京」。そして覚醒のサードアルバムの「愛と笑いの夜」。。
今夜は缶ビールを飲みながら、エアコンも切って扇風機を回しながら、3人の若者の物語をぶっ通しで聞こう。

ご冥福をお祈りします。