落語が好きだ。しかしながら最近は落語が聞けていない。そういえば、落語聞いていないな、と思い始めたのは、緊急事態宣言以降である。よくよく考えると、私の落語の視聴する時間帯は、電車の移動時間が圧倒的に多かった。コロナの影響で、外出が圧倒的に減ったことが大きな原因であることは間違いない。コロナの影響は、「落語を聴く時間が減ったことです」、というと、情けなくなるが、事実だから仕方がない。
落語の良さは、一言では言えないぐらいだが、特に個人的に好みなのが、話のマクラから本題に行く流れを聴くことである。マクラとは、噺家さんが高座に立ち、最近の話題などを取り上げ、お客さんを温めることである。そしてそのマクラの話題がそのままネタの本題に繋げるケースがある。この繋ぎかたが上手な噺家さんの落語を聴くのは、一種のカタルシスでもある。
さて、最近、ほんの少しだけだが、文章がお上手ですね、と言われることが増えた。多くのかたから賛辞を受ける狙いはなく、特に自分の書いた記事で世界を変えようとなどと露とも思わない自分だが、それでも褒められると、嬉しいものだ。ほんの数人とはいえ、まがりなりにも自分の作ったものが、面白いね、と言って頂くことは、とても励みになります。
また、それと同時に取引先で「記事の書き方」、みたいなものを教える機会も増えてきている。これは事業云々をどう伸ばすかという本来の仕事というよりも、もはや国語の授業の世界である。私のようなものが、こうしたものを教えるのはとてもおこがましいのだが、自分なりにいろいろと四苦八苦しながらお伝えしている。
せっかくなので、今回は私なりの読ませる記事の作り方みたいなものを紹介したいと思う。
ちなみに、おそらく読ませる文章というものには、昔から公式みたいなものがあるのだろう。しかし今やその公式はあるようでない。現代はネットで山のように情報記事が溢れている。それでも最後まで読み進めさせるためには、やはり現代ならではのやり方があるのではないだろうか。
1.題名
題名でどう引き付けるか。これがかなり重要だ。もっと言えばどのようにインパクトを持たせるか。記事を上げるうえで、pvを不特定多数に伸ばそうと思うならば、まず題名に命をかけることだ。なんとなく今回は、専門的な記事で特定のセグメントのかたに読んでほしいな、と考える記事は、このあたりを抑えめにする。
1.ちなみにインパクトを持たせるためには、世間の流れとは逆の題名を打つことが効果的である。
たとえば、オンライン接客方法のノウハウを伝えたい場合、「重要なのはオンラインのノウハウではない。対面接客の質向上が重要だった件」などと対比効果をだすことで、ユーザが引き付けやすい記事になる。
2.また、それと同時に自分自身で経験したことを題名にすることもインパクトを与えやすい。「1000人と話して解明したオンラインミーティングのコツ」このような経験と数値をプッシュすることで、インパクトを持たせることができる。
3.また尖った結論や感想を伝えたい場合は、それをそのまま書く。たとえば「テレワークでおじさんは撲滅する」とか、少し攻撃的な題名で引き付ける。しかしこれを強く狙うあまり、逆に炎上するケースもあるのでこちらを使う場合は、要注意である。
2.文章のセンテンスを簡潔にし、リズムを重視する
1.長いセンテンスや説明は極力控える。読み易さ、というのは、簡潔で分かりやすいことが重要だ。なるべく自分で実際何度か作成した文書を読んでみて、リズム感を掴む。もし、そこで何か滞るイメージが記事にあると、その箇所を修正する。
2.また、上記のリズム感を整えるうえで、重要なのは、接続詞だ。(しかし、いっぽうで、たとえば)など。
この接続詞の使い方が非常に大事なところである。読みにくい文章の大半は、この接続詞の使い方があまり上手くないケースが多いように感じる。
誰を対象にするか
たとえば、30歳を超えた課長になったばかりのマネジメントで悩んでいる男性、などのように読んで欲しいユーザーを明確化する。所謂ペルソナ設定だ。これがあやふやになった場合は、文書に一貫性がなくなり、着地点が見えづらくなる。
文書作成の具体的なイメージを掴むためには、たとえ不特定多数の人に届けるのが目的であったとしても、ペルソナ設定を怠ってはならない。
冒頭でなるべく「?」という内容を作り、最後に帰結する
なるべく結論とは、遠い事象から書き出す。そして最後にそれを繋げる。たとえば売上の伸ばし方の記事を書く際に、いきなりまとめに入らない。まず自分が売上に苦戦していた経験から書き出す。しかし文書の最後には、売上の伸ばし方の方法がわかるようになっている。これこそが人の「納得感」を向上させるポイントになるのではないかと思う。
まさに落語のマクラのようなところだ。
最近は、いろんなかたがYouTubeで情報を発信している。私はどちらかといえば、この動画の編集作業や撮影よりも、文章で発信したほうがしっくりくる。前時代的ではあるものの、文章のチカラ、言葉のチカラ、はまだ根強く残っていると思う。
時代に逆行するかもしれないが、引き続きこの「記事」というものの質の向上を怠らないようにしていきたい。
是非ご参考にして頂ければと思う。
0コメント