身になる勉強方法(偏差値40からの勉強方法)

 私は大学に20歳で入学した。しかも実質の勉強していた期間は、半年程度だった。高校時代は、240名かそこらの学校で順位は238番。全くの落ちこぼれだった。
それでもなんとか京都の同志社大学という大学に入れたのは、本当にラッキーだったとしか言いようがない。

 今だに物覚えは悪く、試験資格関係はとても苦手だ。記憶系の勉強は苦手だ。本なども、仕事柄、人より多く読む(月20冊程度)が、恥ずかしながらあまり記憶に残っていない。読んだそばからどんどん忘れてしまう。
 勉強自体は好きなのだが、とにかく試験という行為に拒否反応を示している。ちなみに今だに大学の単位が足りなく留年する夢を数年に一度見てしまう。

 そんな自分でも、大学試験までの半年間は、文字通り必死に勉強した。そして勉強方法というのも、今にして思えば独特だった。
 私の勉強方法は至ってシンプルなものだった。

 「とにかく書く、声に出す、問題を解く」の繰り返しを行った。

 まず朝は単語を書きまくる。英語であれば英単語、日本史であれば、年表や人名など。昼は講義を受け、夕方は前日の夜の問題をもう一度説き、夜は新しい問題を解きまくる、ということをしただけだった。
 この方法が効果的だったかどうかはわからなかった。しかし、なにせ、物覚えが悪いために、なんとか書くことで自分自身を納得させていたのかもしれない。
 ありがたいことに、数ヶ月で偏差値は大きく伸び、大学も無事入学することができた。

年齢を重ね、さまざまな知識を身につけることで、この20年前の勉強方法が間違っていなかったことが、わかってきた。

書くことや、言葉に出すことは、通常の暗記よりも強力な記憶定着を促すことができる。
これは、「運動性記憶」と呼ばれるもので、手を使ったり、声に出すと、その記憶は小脳から海馬を経由して大脳連合野に蓄積される。小脳の経由をすることで、神経細胞の動きが活性化するので、記憶が定着されやすい。
  たしかに人は文字を読むだけやスマホの画面を眺めるだけでは、記憶には残りにくいが、誰かに話したり、書いたり、もっと言えば体を動かしていることは、割と覚えている。
 
 これは仕事にも当てはまり、商品を売りこむ時に、そのパンフレットだけを眺めて、実際セールスするよりも、その商品を使ってみる、手に触ることで、圧倒的に説得力を増すことができる。
 また学んだことを部下や同僚にフィードバックすることで、その知識を自分のものにすることが容易になる。
 
 何かを勉強するとき、とても効果的なので、一度試してみてほしい。
 

南総合研究所

株式会社 南総合研究所