【経営戦略1】会社の経営戦略を確定させ、企業価値を向上させる〜M&A〜

 世界の各都市は軒並み閉鎖され、本日の東京は都の外出自粛要請を受けている。

 これから起こるであろうことは、社会の大きな変容だ。おそらく世界全体で価値観が大きく変わり、人々の人生に対する考え方も刷新されるだろう。それほど今回のコロナショックは社会的なインパクトを世界に与えている。


 これから日本経済も大きく変わるだろう。様々な業種で事業再編が進み、淘汰が始まるに違いない。そのなかでおそらく新規のサービスも生まれてくるだろうし、逆に古いサービスは無くなっていくだろう。おそらくこの騒動が一息つけば、M&A(事業再編)がいっきに広がるに違いない。


 とはいえ企業経営においての基本の「基」は変わらない。

 今回はその一番必要な基本的なところをまとめてみたい。


 まず企業の前提として、企業は継続するものである(ゴーイングコンサーン)という考え方がベーシックにあることを忘れてはいけない。そして企業は継続すべきため、外部環境との相互作用(オープンシステム)を図り、ステークホルダー(利害関係者)と共に継続性を高めていく。これが大前提になる。

 これからの時代、企業の存在意義が問われることが多くなるだろう。そのなかで企業経営の前提を見過ごしてしまうと、そもそもの議論が進まなくなる。あくまで企業「継続」を前提にすることはこれからの時代、非常に重要である。


 では、その前提を踏まえたうえで経営活動の構成要素をまとめてみると、上部から


 経営理念→ビジョン→企業戦略→事業戦略→機能戦略→経営計画


 と構成される。

 もはや言わずもがなだが、新ためてこれらを少し纏めてみたい。


経営理念
 構成要素の一番上流に位置するもの。「企業の存在意義、目的」
 経営理念の意義は従業員のモチベーションであり、判断基準であり、コミュニケーションのベースとなる。この理念を組織文化に根付かせることが非常に重要になる。価値観であれ行動規範であれ、企業の根幹な部分を経営理念をもとに形作られるのだ。

ビジョン
 企業の将来像、目標を表すもの。経営理念の下に位置し、より具体的な将来のイメージを持たせる。

経営戦略
 ビジョンの下に経営戦略が紐づく。戦略の種類としては、上から企業戦略、事業戦略、機能戦略が位置される。よりビジョンを達成させるために戦略を落としこんでいくことが前提となる。

 ちなみに、この経営戦略の意義は、「目的を達成させるための手段」ということを忘れてはいけない。また大きな2つの点が重要になる。
 ・環境適応
 ・競争優位の獲得

 つまり達成したい世界観を、外部の環境を考慮しながら、いかに競争に勝つかを可視化するのが経営戦略の目的になるのだ。

経営計画とは?
 このような戦略をもとに、各企業は経営計画を立てていかなければいけない。
 具体的な計画を「責任者」が「計画の期限」を設けて作成していく。
 長期計画(5年)程度、中期計画(3年〜5年)、短期計画(1年)という期限があるが、現在のような変化が激しい時代には、あまり長期な経営計画は意味をなさない。
 また以下のようなプランの策定方法も盛り込んでおくべきである。

・ローリングプラン・・・計画の定期的な見直し。
・コンティンジェンシープラン・・・不足事態の対応を見据えた計画

 
 以上のように経営戦略を固めて計画を策定し、実行していく。当然、PDSやPDCAのようなマネジメントサイクルを回さなければ計画は実行できない。いかに経営陣と現場が柔軟に計画に対して対応していくかが重要になる。

 とはいえ、注意点もある。最近、大手企業ではこのような経営計画を延々と経営企画室が立てている現状があり、実際の現場との乖離が生まれている。これは、「分析麻痺症候群」と言われ、現在の日本企業で多く散見される。

 これからの時代は、柔軟性とスピードが非常に重要になるのだが、そのためにはこの分析麻痺症候群を治さなけば、世界では戦っていけないだろう。

 時代が変わっていっても忘れてはならない経営の基本を抑えて、それぞれの企業価値を上げていかなければならない。