競争社会のなかで、企業という組織は生まれていって、死んでいっている。世の中の94%の企業が10年後には無くなり、残りの6%が生き残るという厳しい戦いだ。
しかしながらよく考えると、94%の企業は無くなってしまうのだが、また新しいサービスを持っている94%の企業が生まれてくる。おそらくそのようにして、市場は新陳代謝を繰り返すのだろう。
では、生き残る6パーセントの企業というものはどのような企業だろうか。また10年後どころか20年、30年、そして100年以上生き残る企業はどのようなサバイバルをしているのだろうか。
経済学者のマーティン・リーブスは、自然界のシステムを参照し、生き残る企業の定義付けを行っている。熱帯雨林であれ、寒冷地域であれ、自然界、また生物界では、ある一定のシステムに基づいてその体系を維持しようとしている。
それが以下の6つだ。
1.余剰性(Redudancy)
2.多様性(Diversity)
3.適応性(Modularity)
4.適合性(Adaptation)
5.思慮深さ(Prudence)
6.組み込み式(Embeddedness)
この6つの要素を自然界は持ち、生き残りを続けているらしい。
たしかに自然界には、余剰な資源や生物が存在し、そこには多様な生き物がいる。そして環境適応を行いながら、その地域にあった生体システムを取り、時にはバランスを取るような気候変動を起こし、またその自然界が栄えるような土壌を作っている。
では、企業としてこの6つの要素に当てはまるものは何だろうか。
まず余剰性というのは、人的リソースであり、プロダクト数や在庫数とも読み取れる。多様性とは、採用や育成面の要素が強いのだろうか。適応性は、環境変化に対する対応だろう。たとえば危機的なインシデントに対応する力などがそうかもしれない。そして適合性は、市場の変化や景気不景気に対するサービスのブラッシュアップなどだろうか。
思慮深さというのは、当然戦略的か否か。また最後の組み込みシステムとは、読んで字の如し、プラットホーム化に成功しているのかどうかではないだろうか。
このように考えていくと、企業体というのは、いかに耐久性が必要なものであることかというのが、よくわかる。いつの時代に対しても変化に柔軟に対応していくことが、生き残るうえで最大のやるべきことだろう。
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