経営において重要なビジョンを基に経営戦略を策定するのだが、そうはいってもどのように経営戦略を策定するのかも、非常に重要である。
優秀な指導者がいても参謀の能力が低ければ、その経営者のビジョンは達成できない。しかしながら優秀な参謀がいれば、それを可視化させ、実現により近づけることが可能だ。今回はその経営戦略の策定方法を纏めてみようと思う。
戦略策定プロセス
1.現状の分析が最初のステップ
経営戦略を策定するといっても、現状の自社がどのような状態なのかわかっていなければ戦略は作れない。まず自社内のそれぞれの経営資源を分析して、現場に即した戦略を策定することが重要となる。
ここでよく使われるフレームワークがSWOT分析だ。
かなり有名な分析方法だが、これは経営戦略策定時の自社の内部分析をするうえで必須のフレームワークである。
まず内部(自社)の強みは何か、そして弱みは何かを整理する。たとえば営業力で強みではあるが、そもそも人的資源が足りないのが弱みなのかもしれない。ブランド力が強みだが、現場での販売力(セールス)が弱みになるかもしれない。
そうした自社内の強みと弱みを冷静に分析しながら、同時に外的環境も現在どのような環境なのかを整理する。市場での機会はどのようなところなのか、どこがこれから伸びるのだろうか。また逆に何が脅威となるのか、社会情勢なのか、それとも競合他社なのか。
この基本的なSWOT分析をすっとばして、戦略策定を行う企業が実際かなり多いのも現実だ。そうするとどうしても、内向きで、非現実的な戦略になりがちになる。
2.戦略は上から策定する
企業戦略→事業戦略→機能戦略
というように戦略の上部から先に策定していくことが重要である。
企業戦略でドメイン(事業範囲)の設定を行い、どの事業に投資するかを明確にする。
その後、事業戦略では事業別にどのように戦うかを策定し、そして機能別の方針を決定する。
よーい、ドン!といっきに戦略策定をしても上の方針が決まらなければ戦略に統一性をもたらすことはできない。
戦略のポイントとは?
戦略を策定するうえでさまざまなアプローチ方法がある。たとえば自分たちの経営資源をベースに考えるケースもあれば、あくまで外部との戦いを重視する考えもある。これは企業文化や外部環境により、変化をするがある種の方針は、企業で共通に認識しておいたほうが良いだろう。
戦略アプローチ
1.ポジショニングベース型
外部環境への適応を重視する考えかた。企業として市場でどのようなポジションを取るかをもとに戦略を考えるアプローチ
2.リソースベース型
自身の企業のリソースをベースに戦略を組み立てる方法。企業の持っている人、モノ、金でどのように戦っていくのかを基準に戦略を組み立てる
経営資源まとめ
では、経営資源にはどのようなものがあるのだろうか。その種類は以下のように有形資源とは無形資源に分類される。
・有形資源
ヒト、モノ、カネ
・無形資源
技術力、知的財産、ノウハウ、ブランド、信用、顧客情報
重要なのは経営資源は「カネ」だけではないと、認識することだ。特に無形資産は、なかなか認識できなかったりする。経営戦略を策定するうえで上記リソースを見直してみるのが良いだろう。
また経営資源のなかで、競争優位性を上げることができる要件がある。「VRIO」という言葉でそれらは纏められている。
VRIO
value・・・経済的価値
rarity・・・希少性
inimitability・・・模倣困難性
organization・・・組織能力
これらの競争優位性を高めることで、市場での生き抜く可能性を上げることができる。
またコアコンピタンスといわれる事業の中核的能力を認識し、事業を伸ばすことも重要だ。コアコンピタンスの要件は、おもに「顧客に価値提供できるもの」、「真似しにくい」、「広く展開できる」という要件になる。
さらにいえばケイパビリティという組織能力も、経営資源としてカテゴライズされる。上記VRIOの組織能力と同義だが、組織スピード、高品質、顧客対応などを組織能力で伸ばすことができることを意味している。
しっかりと自社の経営資源を理解すること、そして外部分析を怠らずしっかりと分析を行い、企業戦略から下流に戦略を策定していく。
いまいちど自社の経営戦略を見直してみても良いかもしれない。
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