オーナーには様々なタイプのオーナーがいる。先祖代々の地主のため相続税が発生するため、マンション経営を行うオーナー。また資産運用のために物件購入するオーナー、はたまた法人の資金運用のために物件を購入する法人オーナー、などなど様々なタイプのオーナーがいる。
オーナーが物件を購入したり、建築する機会は、個人的な経験だが、やはり不動産会社から直接の営業を受けて決断されることが多いようなイメージがある。たとえば資産運用をしよう、と思い立ち、投資系サイトを見て物件を購入するオーナーは、そこまで多いとは感じない。それよりも、自分の身近な不動産会社の社員のかたに相談したり、また飛び込みなどの直接営業で節税を考え始めるオーナーのほうが多い。
後者のような場合、当然、直接的な営業をした不動産会社がオーナーの物件を管理することになる。新築のあいだは、物件、入居者のトラブルはあまりないだろう。しかし5年経ち、10年も経ってくると、様々なトラブルが生まれてくる。長期空室の発生、退去トラブル、設備不良など。物件を購入した当初の管理会社の担当者も退職してしまい、なかなか相談をすることが、億劫になる。その時になり、初めてオーナーは、管理会社を変えよう、と決意する。
管理替えの営業は不動産会社にとってなかなか難しい部分があるが、それでも地道に知恵を絞り、いろいろな手法で自社の管理サービスのアピールをしなければいけない。このあたりが不動産会社の底力の差が生まれてくるところだろう。
いっぽうオーナーにとっては、本当に良い管理会社か見抜かなければいけない。ここでは、オーナーにとっての最適な管理会社を選ぶ際のポイントをまとめてみる。
1.サイトの掲載可否
現場で本当によく聞かれる声だが、空室になっても自分の物件がポータルサイトや依頼された管理会社に掲載されていない、というオーナーの要望の連絡は多い。オーナーにとっては、自分の物件が掲載されたかどうか、というのは非常に気になる。管理替えをする前に、その不動産会社の広告発信力はチェックしておくべきだろう。
2.PMとLMの組織構成
PMというのはプロパティマネジメントの省略で、賃料の回収や設備対応、原状復帰業務などを行う業務。LMはリーシーマネジメントの略で、空室の物件を埋める活動、また契約業務など。不動産会社にとってこのPMとLMの組織バランスを保つことはかなり至難の技である。たとえば不動産会社の営業のかたにPMとLMの人員構成などを軽く聞いてみるのも良いだろうし、ある程度の工程フローが理解できるなら、細かくヒアリングしてみても良いかもしれない。いくら早く部屋が埋まっても、そのあとのフォローができていなかったり、また逆に管理サービスはしっかりしていても、客付力がなければ、なかなか満足のいかないだろう。
3.オーナーレポートの確認
毎月のオーナーレポートの雛形みたいなものを取り寄せてみるのもひとつのポイントだ。オーナーの報告が、はたして賃料明細のみなのか、それとも定期清掃などの報告や、法令点検などの時期をきちんと伝えられているか、また市場の動向や相場、業界トレンドなどを報告できているかもチェックしてみるのも良いだろう。
4.顧問弁護士の可否、過去のトラブル対応などのヒアリング
たとえば保証会社の保証期間も超えてしまった長期滞納者などの対応や、騒音問題の解決方法などを聞いてみる。ポイントなのは、トラブルサポートを外注しているだけではなく、自社内でこうしたトラブル対応をマニュアル化できているかがポイントだ。二重、三重の対応をしているか否かは、管理運営を行ううえで大きなポイントだ。
5.退去から入居までのリードタイムのヒアリング
退去から入居までの期間がどれぐらいかをヒアリングをすることで、管理会社の運用状況が理解できる。これにすぐ答えられないと、場当たり的な度ごとの対応をしているケースが多い。
6.企業訪問
時間があれば、自分の物件だけではなく、管理会社に訪問してみるのも良い。実際の目め会社の雰囲気や清掃状況などを見ることが、一番確実だ。自社のエントランスなどが汚い企業が、他人の物件を綺麗にする筈はない。
どうしても管理会社を選ぶ際、管理手数料などの安さに目が行きがちになるが、こうした細かいところをチェックしてみるのも良いかもしれない。
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