採用難の現在の経済情勢において、生産性向上のための施作を行うことは、企業でも必須事項になりつつある。おそらく大半の企業でも業務効率化が図られているだろう。しかしながら、実際のところ、このあたりの生産性向上が上手くいったケースというのは、驚く程少ない。
理由としては、生産性を向上しようとするあまり、逆に業務量が増えてしまい、途中で挫折してしまうパターンや、ゴールの数値設定が曖昧なままスタートしてしまい、結局、良い結果だったのか悪い結果だったのかがわかりにくくなってしまうパターンなどがあげられる。
どの業界でもそうだが、様々なITツールが開発され、いろいろな業務改革が行われているが、この生産性向上が上手くいっている業界とそうではない業界に二分されているような気がする。上手くいっている業界は、プレイヤーが少ない業界だ。このような業界はシステム統合が図りやすく、たとえば物流や卸しなどの一気通貫の商流も上手くデータ連動を行い、業務効率化が図られる。
しかしながら、プレイヤーが多い業界は、この生産性向上、業務効率化は、それぞれのプレイヤーによるところがあり、他社との商流の結び付けが非常に困難になる。とはいえ、とはいえ、そのまま時代の波を無視して、旧来の運営しても厳しい。いくら業界改革が難しくても、各プレイヤー(企業)ごとに生産性向上、業務効率化を図らなければいけない。これは逃れられない時代の波だ。
企業の生産性向上を行うポイントはゴール数値を明確化することだ。一番、目に見えるものは、人時生産性の数値設定だろう。全従業員の総労働時間を総計し、売上高を見ていくと、1時間あたりの売上高が見えてくる。これを行うことで、数値のゴール設定を見える化し、様々な生産性向上が図られる。
また生産性向上施作を行う前に、各作業工程の徹底したトラッキングも必要になる。誰が、いつ、どのように働いているか、そしてその流れ工程に滞りはないのか、などを細かくチェックすることで、打ち手が明確になるのと、目標数値も割り出すことができる。
声高に企業の上層部から生産性向上と謳われていても、まず現状の徹底した把握とゴールの明確化が行われない限り、生産性向上は実行できない。また、これから採用が容易になる時代は到底来るとは思えない。国全体で、このような取組みを行なっていく必要があるだろう。これからは、売上の高い企業よりも、生産性の高い企業のほうがヴァリエーションが良くなるかもしれない。
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