OFF-JT、自社内で、研修を行うコツとポイント

 人材を育成する際に必要なものは、OJTとOFF-JTと呼ばれる2つの種類に分けられる。

 OJTは、ご存知のように上司の仕事に部下が着いていき、実施訓練をしながら学んでいく形式だ。これは非常に現場の仕事を行ううえで、便利なもので、現場の仕事の細かい要領などを覚えることもできるし、上司の様々なスキルを実際目の当たりにすることができる。

 しかしながら、最近の研修では、OJTの仕組みだけでは、なかなか人材を育成することは難しくなっている。理由は、まず学習が体系的ではないため、全体像を把握するのに時間がかかってしまうこと。もうひとつの理由は、身につけるスピードが新人それぞれで変わってしまうことが多く、新人の潜在的要素を身につけることができないこと。また当然、担当上司によって、教え方、指導方法などが様々でムラがあることだ。

 それを補完するためにOFF-JTがある。
 OFF-JTは、すぐには実務経験が上がらないが、全体の業務内容を体系的に学ぶことができる。また、ほぼ満遍なく実務を教えることで、ある程度、全体的なスキルを新人に身につけさせることができることだ。(逆に突出的な新人は生まれにくい)

 企業内でOFF-JTをする場合、一番手っ取り早いのが、研修だ。これを社外に依頼するのも良いが、社内で上手く体系化を行い、研修項目を作成することで、非常に効果が出やすい。
 といっても、付け焼き刃で社内研修を行うと、殆ど意味がないので、今回は、社内研修を行う際の注意点やコツをまとめてみたいと思う。

全体業務の体系化とマニュアル化
 社内全体の業務をまず体系化し、できるだけマニュアル化することが重要になる。
 よくありがちなのが、いきなりテクニカルな研修項目を作ってしまい、あまり実戦に役に立たないことが多い。まずは基本的な全体像と基本的な実務を見える化し、研修内容を作る必要がある。

社内講師はなるべく現場責任者
 研修自体をトップレイヤーで行うことは、問題ないのだが、それだけで終わりにしないことが重要だ。なるべく現場責任者を講師に置き、彼らにアウトプットさせることが重要だ。
  また、インプットだけよりも、人前でアウトプットを行なったほうが、現場責任者のスキル向上にも繋がる。

研修期間は半年程度の長さに設定
 新人が仮に1ヶ月カンヅメで研修するよりも、たとえば週に1回や2回など、研修を長期的なスパンで行う方が良い。単純にインプットがこちらのほうが効率が良いのと同時に、意外とモチベーションが下がっている新人が研修などでモチベーションを持ち直すことも多い。また半年以上、研修することで、全体像を無理なく学べることができる。


 新人だけではなく、幹部も研修を受講する
 新人向けの研修を幹部がオブザーバーで受けることで、現場の仕事、業務を再確認することができる。意外と年月が過ぎ、現場の仕事をなかなか理解しにくくなっている幹部は多い。これを機に、幹部が現場の仕事を改めて理解することができる。


 育成制度を整えるために、このOFF-JTを実行する際、おそらく時間がない、準備が面倒だ、という理由から途中で挫折するケースが多い。しかしこのOFF-JTは、社内組織を強くするために、非常に効果的だ。
 勿論、外部講師を利用しても問題ないが、それでも少しでも社内研修を自社メンバーで実行した方が良い。
  今後は、効果的かOFF-JTを上手く運用しと企業が生き残るだろう。