「人が育たない」、「人が成長せず、定着しない」このような言葉を、本当に企業に訪問すると多く聞く。
おそらく殆どの企業がこのような育成課題を抱えているだろう。特段、彼らが評価制度や育成制度を疎かにしているわけでもない。どの企業も育成に対しては、かなりのリソースを注いでいる。これが以前なら、仮に人が育たなくても、定着しなくても、多少はどうにかなった。時代によっては、人の募集が溢れていたので、人員を「入れ替え」されすれば良かった。
しかし時代は変わり、現在はそんな募集する人はいない。人材不足の時代だ。また人材の定着、成長こそが、企業の発展に繋がることも企業家のあいだでは周知となっている。
小学校時代、計算ドリルが苦手だった私は何度も先生から渡される問題を説いて、身につけていった。また野球部だった時は、徹底的にキャッチボールをやらされた。運動音痴だった自分もおかげで普通にキャッチボールができるようになった。
また仕事でわからないことがあった際、先輩にヒアリングをしに行って、そのおかげでその仕事を覚えることができた。
全ては教育のおかげだ。よく高校野球などを見ていて思うのだが、強豪校は「教育」が徹底しているように感じる。生徒を精緻のとれたカリキュラムで教え、そして技術的な指導を惜しまない。
では世の中の企業ではどうだろうか?
たしかに様々なモチベーションアップのための研修やプログラムは、かなり世の中に広まっている。
しかしながら、このような「育成」の前に「教育」の整備が整っていないケースが多い。たとえば、モチベーションの高い企業に訪問して話を聴くと、モチベーションと反比例して業績が芳しくない。しかし彼ら若手の素養は抜群だ。モチベーションは高く、努力を惜しまない。しかし決定的に欠けているものがあった。それは、「専門的知識」、「ビジネススキルの知識」、「業務知識とそのルール整備」みたいなものが圧倒的に欠けているのだ。一言でいえば、教育制度が整っていないのだ。
改めて大前提として、新入社員などの育成の前に「教育」をしっかり行なわなければ、いけない。教えに教えて、教え尽くしてからこそ、本来の育成が役立っていく。
実際、新入社員の不安は、その専門知識の無さが大きな不安要因だったりする。
ということは、専門知識や業務スキルをしっかり教えるスタイルを作っていけば、かなりの課題解決ができるのではないだろうか。
とある企業に行くと、とにかくマニュアル、研修でしっかり教育制度を整えていた。当然、一人当たりの業績貢献度は高く、人も育っていた。
改めて、教育→育成を忘れてはならない。
それがこの人手不足を生き抜く企業の宝となる筈である。
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