最高の指導者は社外にいた

 仕事をしていると、業務に対してわからないことが沢山出てくる。これは業務だけではなく、たとえば事業の方向性や知見など、とても現時点では、わからないこと、知らないことが多い。

 特に20代の頃、または仕事を転職したばかりの頃は、そういった「わからないこと」に多く出くわすだろう。そうした時に、人は自分の上司にいろいろとヒアリングする。勿論、そうしたことに対して教えることが上手い人もいれば、そうでない人もいる。
 しかし時には、社内の誰も解決の糸口がわからなく、知見もない時があり、そのような時は本当に途方にくれる。

 20代の頃、全くの新規事業を任せられることになったことがある。当時、勤めていた会社も、その事業に対して知見がないため、誰にも聞けず、大変困った。
 その際、とりあえずどうせわからないから、と思い、片っ端から同業者や取引先に話を聞きに行った。
 なかには、全く相手にされないこともあったが、概ね、相手方は好意的にアドバイスを与えてくれた。
 当初の「わからないこと」が少しずつわかるようになり、全体像が把握できるようになった。

  自分の限界というものを仕事で越えようとする時、それは他者に対しての要望に応えなければならない局面でない限り、なかなか前向きになれないことが多い。
 それでも、あくまで責任が取れる範囲内だが、チャレンジングなことを自分に課してみて初めて血となり肉となるケースが多い。

 不動産業界は、横の繋がりがとても強い業界だ。そのなかで、確実にキャリアアップをしていく人は、上手く取引先の人に話を聞き、知識、知見をつけていく。
 また細かい業務に関しても、ひとつひとつの案件に対して、同業者、取引先から教えてもらうことが沢山ある。これは同じ社内の上司では、決して教わることができないものだ。
 
そう考えると、ある意味、仕事を教えてもらう上司は、決して社内だけではないかもしれない。取引先の知識や知見、方法をヒアリングすることが多くのキャリアアップのきっかけになるかもしれない。
 
 1番、取引先が嫌がることは、「知ったかぶり」だ。知ったかぶりをせず、堂々と、しかしながら謙虚にいろいろな人にヒアリングすることで、自分自身の新しい扉が開くことになるだろう。