なるべく「ラク」をすることを徹底的に考えることは悪いことではない。

 仕事を続けているとどうしても人に依存することが多い。それは当然のことで、キャリアが長くなればなるほど、個別のスキルが向上して、だんだんその人にかかる依存が高くなる。
 しかしながら、ここからが企業の勝負の別れ道で、大きな分岐点になる。
  人に依存にしなくても仕事を回せるようになることを考えることを放棄してしまうと、成長率はその「人」に依存する。しかし仕組みで回すことを考え続けると、生産性は向上する。
 
 以前、店舗運営をしていた時、ひと昔前の巨人のような重量打線を揃えた店舗があった。メンバーは全員エース級だ。当然、売上の成績は良く、他と圧倒的な差をつけていた。
 しかしその店舗とひとり辞め、もうひとり辞めると段々と売上が落ち込んでいった。
 そして回復するまでに随分と時間がかかった。

 また逆に、そこまでエース級の人材がいなくても、ルール化、スキーム化を図り、仕組みで回す店舗があった。そこは多少の人の入れ替えがあっても売上が安定していた。決してエース級の人間がいなくても、年間、もしくは数年を通すとその巨人の重量打線よりも成績が良かった。

 サボることと、ラクをすることは根本的に異なる。
 サボることは、目の前のやるべきことから逃れるだけの行為だ。しかしラクをしようとすることは、徹底的に分析した作戦を立てることだ。それは戦略戦史を紐解いても、書かれていることで、最小の戦力、ダメージで最大限の成果を残すこととと同義であると思う。

  もしかしたらそれは組織が最小の状態においても行えることかもしれない。2人になった時点(組織になった時点)でどのように効率化を図るかを考えるのを止めてはならないように思う。

 サービスを提供し、その喜びを得ることと同じぐらい作戦を立てることは仕事をするうえで最高の楽しみであることを忘れてはいけない。