一般的な認識として不動産会社は、ブラックなイメージがある。パワハラや過剰労働、ノルマ、などブラックの要素がオンパレードなイメージだ。しかしながら、実際のところ、ここ数年間では、かなり多くの会社が様々な打ち手をし、働き方改革を進めている。
実際、残業時間などはだいぶ減っているのではないだろうか。
では、そうは言いながらも、はたして業務全体、また事業として大きな生産性を上げているかといえばこれは企業によって千差万別である。当然、これは事業体や業務内容によって様々であり、一概に改革を評価することができない。
とはいえ、まずベーシックな打ち手という部分と原理原則的な部分をまとめてみて、不動産業での本来必要な働き方改革を考えてみたいと思う。
1.そもそもなぜ「働き方改革」を行うのか?
大前提として、残業時間を減らすことやワークライフバランスを何故重視するかを考えない限り、働き方改革はできないだろう。
当然のことながらどこの会社も今は人手不足である。採用単価はどんどん上がり続けているのと、少子高齢化を考えると、どう考えても離職率を下げたほうが効率は良くなる。
まず自社の採用単価と育成コストを検証したうえで、働き方を見直さないといけない。
2.生産性が上がることで何ができるのか?
ひとえに業務効率化を図り生産性を上げることで一体事業にどこまでのインパクトがあるのだろうか?これが「なんとなくコストカットできる」や、「なんとなく時間当たりの売り上げが上がる」、では、あまり効果を出すことができない。要は生産性を上げ時間効率を図ったうえでの戦略を立てないと意味はない。なるべく効率化が図れた想定を三段階ぐらいに分けて考えたほうが良いだろう。たとえば仕入れに力を入れるのか、仲介に力を入れるのか、管理を増やすのか、このあたりのやるべきことを明確にしなければいけない。
3.業務の棚卸し→自社内でやるべきものなのかアウトソースするものなのか。またやるべきものなのか捨てるものなのかを検証する。
まず各セクションの業務棚卸しを行う。細かいところまで引っ張りだしてみて、どこにどれだけの時間をかけているか、もしくはコストをかけているか見直す。そしてアウトソーシングするものは、どんどんアウトソースしていく。これが大きなミソとなる。物件の入力、案内は自前でやるのか、仕入れは自前なのか、定期点検はどうなのか。今や、ありとあらゆるものがアウトソースできるので、活用できるものはしたほうが良い。またこの棚卸しを行うと、意外と経営者、管理職が想像しないところに沢山の時間をかけてしまっていることが多い。また悲しいかな、このあたりが悪い意味での企業文化になりやすい。
4.業務改善策を決めたうえでスケジュール設定、および就業規則見直し
先程の棚卸し→業務改善を行った後で就業規則を見直す。まず固定時間制にするのか、フレックスにするのか、そして給与の見直しタイミングはどの期間で行うのかを検証し、実行していく。
以上のように生産性を上げる、会社の働き方改革を行うといっても付け焼き刃でできるものではない。しっかりと計画を立てたうえで本来の業務が集中できるような進め方をしていくのがベストだ。
またこうした施策をするにあたり、一番忘れてはならないことがある。それは最高の生産性向上は、従業員のモチベーションの向上であるということだ。
従業員のモチベーションが高い企業と低い企業は、生産性に雲泥の差があるということを忘れてはいけない。
0コメント