賃貸管理の仕事はキツイのか

 不動産会社で行う仕事でも様々な仕事がある。不動産店舗のカウンターで部屋紹介を行う賃貸仲介の仕事、または売買仲介の仕事。また、自社内で物件獲得をするための仕入れの仕事。 

 それだけではなく、最近は物件情報をデータに入力する仕事もあれば、契約書作成の事務作業などもある。
 そのなかでもオーナーから預かった賃貸物件を管理する仕事が賃貸管理の仕事だ。

 賃貸管理の仕事は、不動産業界内でも、かなり「キツイ」と言われる印象がある。たしかに一般的には、入居者のクレーム対応、オーナーの応対など、なかなかストレスフルなイメージが強いのではないだろうか。

 しかし個人的には、不動産賃貸管理業を行なっている不動産会社では、この離職率は圧倒的に二極化している印象がある。
 とある会社の賃貸管理部署は、帰社時間も早く、従業員同士も仲良く、楽しそうに仕事をしている。しかし別の会社では、真夜中まで働き、社内の雰囲気はギスギスして、離職者は後を絶たない。

 これはひとえにいかに賃貸管理を仕組み化しているか否かだろう。
 賃貸管理業務は、しっかりとマニュアル化、仕組み化されていればかなり仕事自体は、やりがいもある仕事だと思う。

 とはいえ、賃貸管理業務といっても、これもいくつかの種類に分けられる。

 オーナー獲得をすることも仕事の1つであるし、空き物件を早く埋めるための業務(リーシングマネジメント)も仕事の1つだ。また、オーナーフォローを行うのも仕事の1つだし、イメージ通り、入居者からの家賃送金をしたり、入居者からの要望のヒアリング、クレーム対応を行うのも仕事だ。

これほど業務内容が多いので、つまり賃貸管理の仕事が「キツイ」かどうかは一概に判断はできない。リーシングの仕事も、オーナー獲得も、賃貸管理業務と考えると、あまりにも広義になるため、判断が難しい。

 でな、特にキツイと言われる入居者対応などはどうだろうか?

 不動産会社のなかでは、入居者のクレームやトラブル事例などを、「カイゼンの機会」と捉え、社内ノウハウの蓄積、またサービス向上に努めている会社がある。

 このような取組を行なっている会社は、非常に士気が高く、離職率も低い。おそらく細かい改善を行うことで、全員で大きな素晴らしいサービスを確立しようとする意識が働いているのだろう。
 たとえば、大きな素晴らしい建物を全員で建設するようなイメージだろうか。

 逆に、クレームをとりあえずその場で対応し、ただのクレームとして処理をし、共有もなく処理を完了し、各々が仕事を進めている場合は、かなりこの賃貸管理業務という仕事は、「キツく」、しんどいだろう。
 
 どんな仕事であれ、そこにやり甲斐ややる意味をどのように作るかは、会社の方針による。最悪なのは、賃貸管理の仕事を、ただの事務処理部署と上層部が捉えてしまっていることだ。そうすると、いつまで経っても、従業員の離職率は改善されない。

 賃貸管理の仕事の従業員の満足度は、ある意味、不動産会社を写しだす鏡となりえる。