今年に入り、もう10日過ぎた。あっという間に1月も終わりそうだ。そして、不動産業界は繁忙期の真っ只中だ。
この記事の表題である
「申込→キャンセルが多過ぎて部屋紹介ができません」という声をここ数日でかなりの数のクライアントから聞いている。特に都心部は酷い状況だ。
空室が発生した瞬間に、複数業者からの申込が入る。そこで二番手、三番手申込を取り、抽選を待つ。それが今は当たり前になりつつある。
ちなみにこのようになる布石は沢山あり、ひとつは都心部の空室の少なさだろう。多分この10年程度で1番空室が少ないのではないだろうか。この原因は、ユーザーが不動産を購入しなくなった、また引越しもしなくなったことに起因しているだろう。
そして都心部には人口は変わらず流入してきており、少ない空室を多くのユーザーが取り合う状況に陥っている。需要と供給のバランスの需要の部分が太っているイメージだ。
管理会社は、現在の申込→キャンセルの多さに頭を痛めている。キャンセルが多いとなると、どうしても仲介会社に不信感を持ってしまう。また仲介会社は、なんとかユーザーのニーズを満たすべく部屋を抑えないといけない。しかし周辺業者が、申込をどんどん入れてくるのでそれに合わせていく。
このような構造がかなり悪い意味でスタンダード化しつつある。
実際のところ、物件確認のツールや内見のツール、業務効率化が図られた商材は多く生み出されていても、このような本質的な「不」に対しての打ち手は、あまりなされていないのが現状だ。
おそらくポータルサイトの週一回の更新をしていたとしても、東京都心部はかなり空室情報に乖離が出ているのではないだろうか。
このような改善策として、仲介業者がキャンセルを無くすように全体で取り組めば良いのだろうが、問題はキャンセルの質がバラバラのため、どのキャンセルが「本当のキャンセル」なのかがわからないため、取り組みようがない。また企業数が多いため意思統一が難しいのが現状だ。
募集中の部屋に対して、意思決定の時間を付与して、最終確定させるようなシステムを導入しても良いかもしれない。このあたりをどのようにテクノロジーで解決できるかが鍵となるかもしれない。
電話を無くして業務改革をするのも良いし、紙文化を無くすのもよいだろうが、この申込→キャンセルの流れを止めない限りは業界の根本的な変革にはならないだろう。
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