繁忙期対策とともに閑散期対策も始まる

 もう年の瀬になってきて、いよいよ不動産会社も繁忙期ど真ん中になる。
 特に年明けからの反響応対は、とてもハードだ。しかしながら、ここを踏ん張らなければ仲介会社としては厳しい。1月の年明けは、その年の売上を占う貴重な時期だ。

 勿論、現在の時期は各不動産会社は年始からの打ち手に関して、いろいろと打ち合わせを行っている。売上計画、反響獲得、そしてオペレーションなど。しかしそれとは別に、この時期で忘れてならないことがひとつある。

 それは、繁忙期対策と共に、閑散期の対策も同時にしていないかなければいけない、ということだ。

 閑散期になってから、その時の戦略を練ると、思いのほかスタートが遅れてしまう。
 繁忙期の数字を見越したうえでの、人事戦略、育成、また物件獲得などを早い段階で経営、幹部層は考えていかないといけない。
 たとえば人事配置などは、まさに現在の状況からアテでも良いので、設定しておいたほうが良いだろう。次善策を打つことで閑散期の動きのスピードが大きく異なる。

 またもっと細かく言えば、この閑散期になった際に、仲介会社が必ず手を打たなければならないポイントは3つある。

1.育成制度の検討
 営業力強化、そしてマネジメントの育成。また不動産知識の復習および知見の向上施策。またマーケティング研修などさまざまな打ち手が必要になる。
どのあたりをどう手をつけていくかは、早い段階から検討していっても良いのかもしれない。

2.物件獲得の戦略
 要は管理物件、媒介物件の獲得方法を見直し、4月になった瞬間から動き出せるようにしなければいけない。
 既存オーナーのフォローもしかり、また新規受託の戦略を考えていかなければいけない。
 また物件獲得を行わない企業であれば、新規事業の可能性や戦略も早い段階で念頭に置かなければいけない。

3.KPIの設定
 繁忙期に追っていた反響の数字が間違いではないのか?またそもそも数値概念自体が間違いではないのか?ひとつひとつKPIと経営戦略の相関性を見直していかなければいけない。これは特に繁忙期の現場を見ることでより明確化できる。
 またコスト指標などもこの繁忙期の時期にチェックするのが良いだろう。

 昔から段取り八分と言われるように、いかに事前準備を徹底できるかが鍵となる。
 特に繁忙期はどうしても目の前のことに意識を奪われがちだ。しかし、ほんの数歩先、数ヶ月未来を早めに予測することで他社との差が生まれていく。

 是非試してみてほしい。




 繁忙期の対策


 繁忙期中の営業時の注意点