現在、Googleで不動産会社を検索すると、Googleマップから不動産会社の一覧が出てくる。たとえば渋谷駅、不動産会社と検索すると、まず一番上位に現れるのが、この不動産会社一覧とユーザーの評価だ。
星が高いものもあり、低いものもある。評価数が多いものもあれば、少ないものもある。
このユーザーの評価は、非常に手厳しい意見が多く、一概にこれを見て、その会社のサービスが良いか悪いかの判断は、とても難しい。
不動産会社を利用するのは、おそらく数年に一度のタイミングであろう。なかには、人生で一回あるかないかのタイミングでしか、不動産会社と接する機会はない。
たとえば飲食店であれば、月に何度か使用するために評価が容易になる。また、メニューも豊富であり、味の好みは多々あれど、その評価の信憑性はそれなりにありそうだ。
また不動産というのは、同じ商材を複数社が紹介することが多い。そのなかで商品の優越をつけるのは、難しい。たとえば渋谷の吉野家の味と、梅田の吉野家の味を比べることができないように。
一般的にウェブ上で、ユーザーが評価を行う動機として、4パターンある。
ひとつは、良いサービスを受け、感動し、ウェブ上でその会社を紹介したいという利他的な動機。
ひとつは、その会社に促されて、「とりあえず」評価をつけるパターン。
そして3つめは、ユーザー自身の履歴やトラッキングを取りたいために評価をするパターン。
そして最後の4つめは、ユーザーの怒りが頂点に達し、その怒りを評価としてぶつけるパターンだ。
このあたりを冷静に見ていかなければ、評価の良し悪しを鵜呑みにして、この会社は良い、悪いという判断はできない。
(決してGoogleの不動産会社評価が信憑性がないわけではない。しかし、あくまで傾向的に考えれば、という意味で)
ちなみに不動産会社は、ほぼ一社で完結できるサービスは少ない。
これは、よくある話しだが、たとえば仲介会社がどこかの物件の案内に行くため、管理会社に空室を確認し、案内の方法をヒアリングする。管理会社からは、現地のキーボックスに鍵があると伝えられる。
お客様と一緒に現地にいく。
。。。鍵がない。
お客様は、怒り出す。仲介会社は焦って慌てて管理会社に電話する。
管理会社は、軽く謝る。仲介会社は、お客様に必死に謝る。しかし当然、お客様は、怒り出す。
帰宅後、その仲介会社の評価を最低点でGoogleに評価する。
また逆のケースもある。
管理会社が仲介会社から申し込みを受ける。契約手続きを進める。しかし、大事な禁止事項を仲介会社がお客様に伝えていない。
管理会社は、規約上オッケーできない。お客様は仲介会社に文句を言う。仲介会社は宥める。お客様は、Googleで管理会社の評価を最低点にする。
これはどちらが悪いところではなく、あくまで不動産業界特有のよく起こり得る話だ。
責任の所在は明確ではあるが、とにかく一般ユーザーにはわかりにくい。もっとストレートに言えば、印象として「責任転嫁」をしているように見えてしまう。これは複数社絡み合う特性のようなものだろう。
このように考えると、不動産会社の評価というのは、とても難しいところがある。
しかしながら、経験上、業界内同士での評価は、かなり信憑性が高いように感じる。
業界内の評価の高い不動産会社は、やはりサービスが良く、ユーザーからの受けも良い。また業績が良くても、同業の評価が低い会社は、ユーザーからの評価も低い。
これは不思議なところだ。
もしかしたら、ユーザー評価と同時に、業者間同士での評価制度みたいなものを作っても良いのかもしれない。
今後、ブロックチェーンなどで契約やり取りが一元化できると考えると、各企業の本来のサービスの質が見える化できるかもしれない。
ユーザー評価と、業界内評価が見える化できれば、本当の意味で革新が起こるかもしれない。
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