ここ近年の日本は、すっかりバブルのような狂騒が続いていたように感じる。周りを見れば、起業ブームで、沢山のかたが独立をし、新規サービスを立ち上げ、そこに投資家がお金を投げ(資本)、多くの新規事業が生まれている。
石を投げれば社長に当たるという言葉は、まさに言い得て妙で、沢山の社長たちが毎年、毎月、毎日生まれている。
しかしながらこの数ヶ月で、あくまで個人的な感覚なのだが、景気の潮目は変わったように感じる。
私の事業領域全般は不動産業界なのだが、去年から不動産業界は明らかに変化をした。それは金融機関の過剰融資、大手の不祥事だけが原因ではない。あくまで実態と数値の乖離によるところが大きいのではないかと感じる。そこが不動産業界だけではなく、全体感として感じてしまう。
この感覚はちょうどリーマンショックの時の感覚と非常に酷似している。みんな、やたら景気が良いけど、実態に基づいた地に足の着いた事業が少なくなっているイメージだ。それはあくまで感覚なので、なんともいえないが。
そういえば、昔、矢沢永吉がインタビューでこう言っていた。
「時代のモードというものがある。ある時代は持て囃され、それが10年経つと、矢沢って古いよね、ダサいよね、となる。しかしそれからまた年月が過ぎると、矢沢のような汗をかく人間が注目されるようになる。時代って回るみたいよ」
これは本当に時代の流れをよく表現している言葉だと思う。
効率化が図られ、オートメーション化されていく世の中だと、地道な努力や遠回りは敬遠されがちだ。しかしながら、それが全てだとは言わないが、遠回りが究極の近道になったりすることも多々ある。やり続け、動き続けた先に一筋の光明が見えたりするのかもしれない。
仕事上、事業を成功に導いたご年配のかたとお話しする機会があるが、彼らの共通点はこの足元の努力や行動を怠らない人が多い。もっとベタベタにいえば、とんでもなく根性や気合いのある人しか生き残ってはいない。
世間的にはスマートに見えている人でも、行動量はとんでもなかったりする。そこにフォーカスを当てないで、あくまで効率化だけを見るととても大事なことを見落としてしまうのではないだろうか。
アニマル浜口のように気合いだ、気合いだと雄叫びをあげることはないが、気合いと根性はやはり必要なことなのかもしれない。
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