不動産店舗の繁忙期対策

 あっという間に師走になり、世の中はクリスマスの準備や年越しの準備を始めている。
 気温は下がり、コートを着始める人も増えてきた。
 そんななかで、不動産会社の仲介店舗は、繁忙期対策をしなければいけない。会社によって異なるが、会社によっては、1年の半分を売上げる大事な季節だ。
 
 年々、繁忙期が早くなっていると言われるが、数十年この業界にいると、20年前から言われている。もし繁忙期が早まるならば、今頃一年ひとまわりしている。
 
 不動産会社の繁忙期というのは実に特殊な環境だ。何せ商品が限定されているため、その商品を取り合う。同じ商品が何個もあれば良いのだろうが、たとえ同じ物件でも、隣の部屋とは日当たりも違うし、雰囲気も異なる。
 そう考えると、自分の気に入った物件を申し込みをして、早く抑えたいのはユーザーにとっては、当然の気持ちだろう。



今回は、不動産店舗の繁忙期対策として、どのような打ち手を講じれば良いか纏めてみたい。
1.朝礼と終礼の徹底
 朝礼や終礼をやるのが良いかどうかの議論ではなく、まず繁忙期は、社員間のコミュニケーション量は低下しがちになる。仮に閑散期に朝礼や終礼を行わない店舗であっても、必ず繁忙期は、行ったほうが良い。
 何も、仰々しく発声練習をする必要はなく、単純に、今日の予定、明日の予定、現在の案件と売上の進捗状況を確認する。
 繁忙期になると、店舗のメンバーの状況をどれだけ把握できるかが勝負の分かれ目になる。

2.コミュニケーションの仕組み化
 全員が内見に行ってしまって店舗がカラになってしまうことが多々ある。そうした時に、「いつ」、「どのように」連絡するのかルールを明確にしておかなければならない。
 五月雨式の報告や、統一できないコミュニケーションになってしまった場合に、思わぬ想定外の出来事が起こる。
 LINEの使い方、電話報告の頻度などのルールを決めておく。

3.ルーティンワークを行う時間の確保
 1日の空いている時間を見つけ、ルーティンワークをこなす時間を見つける。閑散期、通常期は時間の確保ができるが、繁忙期は難しい。そうした時に、どれだけルーティンワークを見つけることができるかが重要になる。繁忙期になると、店舗のルールが崩れる可能性が高い。そうすると、意外と三月などに反響が低下したり、売上計上業務において、整合性が取れなくなり、余計に時間がかかる。
 
4.司令塔を作る。司令塔がいなくなった場合の二番手、三番手を考えておく
 店舗の人数や方針によるが、店舗には状況をコントロールできる人間が必要だ。接客時間や対応時間、内見時間、車の手配など、1時間単位でマネジメントしていく。
 お客様が詰まったりすることがないよう、全ての動きを把握し、指示できる状況を作ることが大事だ。
 またもし、仮に司令塔が外出してしまった場合でも二番手を作って、引き継ぎができるようにしなければいけない。
 そういう意味では店舗のルール化がいかに重要かということがわかる。

5.店舗の単価を意識する
 店舗の売上高を考えると、単価×数量だ。繁忙期は顧客単価が下がる傾向がある。

 ユーザーファーストなのは間違いないが、顧客単価を意識することを忘れてはならない。
 

 いずれにしても繁忙期は、通常の時期とは違った方法が必要になる。
 段取り八分と言われるが、いかに段取り良く対応するかが、店舗の勝負の別れ道だ。




必要な店長業務



リマインド機能を徹底すること