音楽を聴いていると、特に売れているミュージシャンは特にそうだが、割と耳に馴染みやすく、すぐに共感ができることが多い。ましてや割と長い間、音楽に接していると、より一層それは顕著だ。このコード進行はこうだな、とか、この編曲はこうだな、等々。
しかしながら、この世界的なアーティスト、デビッド・ボウイは、こちらの耳に馴染むのに、かなりの時間を要する。圧倒的な違和感が聴いているものを混乱させる。アレンジは、曲によってバラバラだし、掴みどころのないメロディーがどことなく居心地を悪くさせる。
とはいいながら、不思議なもので、このミュージシャンの音楽を繰り返し聴いていると、それはまるで中毒のように、その違和感が違和感ではなく、まるで自分のための特別なもののように聞こえる。このようなミュージシャンは稀有な存在であり、私の中で彼が常にスペシャルな存在である理由のひとつだ。
知ってるかたも多いと思うが、彼の音楽スタイルは、60年代のデビュー時から2016年に亡くなるまで、一貫性がない。
当初はフォーク系ミュージシャンとしてデビューし、その後60年代後半から70年にかけてグラムロックに傾倒し、そしてベルリン3部作でプログレ的なアプローチを試みる。80年代はダンスミュージックのヒット曲を生み出し、90年代はインダストリアルミュージックの傾倒、そして晩年は、それら全てをミックスしながらオペラ要素を取り入れた最新型のジャンルを試みている。
要はめちゃくちゃな経歴なのだが、それでも各ジャンルにひとつは、名盤があり、まさにロック界の巨人と言うにふさわしい音楽遍歴だ。
個人的には20代からずっと聴いているミュージシャンのひとりだ。聴くたびに、新しい発見があり、新しい感動をもたらせる不思議な音楽だ。
ここで私見になるが、彼が残した名盤5選を紹介
(かなり偏りのある選定ですが、ご了承ください)
1.ハンキー・ドリー
もともとメロディーメーカーとしても定評よある彼のメロディーセンスが溢れるアルバム。この後、名盤ジギースターダストを発表する。
2.ヒーローズ
ベルリン3部作のうちのひとつ。彼の名盤リストのなかで必ず入る非常に評価の高いアルバム。後半は全てインストだが、とても統一感のあるアルバムだと思う。
3.スケアリーモンスターズ
いきなり日本語の演説で始まる衝撃的な作品。全体としてとても勢いがあり、彼のキャリアのなかでもかなりエッジの立った作品となっている。
4.station to station
約40分程度の短い作品だが、演奏や曲のクオリティはとても高い。また彼のキャリアとしてもグラムロック期とベルリン3部作との結節点となる作品である。
5.BLACK STAR
ラストアルバム。発表直後に彼は亡くなってしまうが、まるで死を予見していたかのよつな作風。そして、何より驚くのが、次の可能性に果敢に挑戦した野心的な作品であることだ。
代表曲を集めました。Spotifyで視聴できます。
クラッシックロックの名盤たち
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