フリーランスの逆襲

 ここ最近、ひとりor数名で事業を行なっている経営者のかたと会う機会が多い。
 ほんの数年前まで事業をどのように拡大させていくかということに対し、一般的には従業員を増やす、事業所を増やす、という拡大路線の企業が多かったのだが、働き方改革の影響なのか、そういった拡大路線とは真逆の事業主が増えている。
 当然のことながら企業の業績を上げるためには売上を最大化し、コストを抑え、利益を最大化していくものだが、それと併用して、どのように効率的に働いていくか、またどのように高品質のサービスを提供しているかを考える事業主が増えた。

人材マネジメントは、なかなかこれだ!という方法は、存在しない。従業員が増えると、それに合ったマネジメント手法にしていかなければいけなく、人数が増えれば増えるほど、その時間コストは増大していく。
そのなかで最小人数で、効果的に事業を推進することは、非常に時間的な効率を上げ、生産性を上げることができる。

何故、このようなフリーのかたが増えるようになったのだろう。
いくつかの理由があるように思える。

1.社会的な変化
ひと昔前だと、フリーランスや少人数の会社に対する風当たりは強かったが、今はかなりその風当たりは弱くなっている。
世の中にはシェアオフィスが溢れ、働き方改革に対し政府が旗を振っている。世の中としてフリーで生きることに抵抗感がある方はだいぶ減ったのではないだろうか。
2.テクノロジーの変化
 現在、企業を設立するのは、アプリやネットで殆ど完結ができる。
また経理や財務なども専用のアプリがあり、素人でも日々の採算管理ができるようになった。これも昔なら考えられないことだった。まず税理士や行政書士を探し、見よう見まねで起業し、領収書の束を経理のスタッフが会計ソフトに、入力していた。今、全くそんなことをする必要がなく、レシートを撮影して、スマホのアプリで入力したら自動で試算表が出せるようになっている。
3.ネットワークの拡大
 テクノロジーの進化と同じ意味かもしれないが販路を拡大すること、事業提携などもかなり楽にできるようになっている。SNSで仲間を募ることも、自分の事業のPRもすることができる。昔はテレアポ部隊を雇って販路拡大していたが今はそこまで必要ない。
 またサービスも開発費用が低コストになり、割と自由にサービスを開発できるようになっている。そのメンバーもウェブで募ることもできるし、資金もクラウドファンディングで調達できる。

果たしてこのような時代の流れは、今後加速していくだろうか。
もしかしたら、近い将来、企業に属すること、それ自体がリスクとなる可能性があるかもしれない。

不動産業における自由な働き方は障壁が高い。それは宅建業の認可による。基本的にパーテーションの仕切りのついた所謂個室で、コピー機と電話機を置き、それを写真に撮り事業所の申請をする。
あまりにも時代遅れだ。殆どがノートパソコンを投影し、プレゼンできるし、図面もPDF化しメールなりLINEなりで送る事ができる。電話よりもメッセンジャー、LINEでやり取りする機会のほうが多い。
この宅建申請の壁をうまく低く、つまり申請が時代に合ったものにすれば、かなり働き方も変わっていくのではないだろうか。

そういう意味ではそれらをクリアしたフリーランス、もしくは少数で革新的なサービスを行う不動産業者さんがもしかしたら時代を変えていくのかもしれない。
彼らのサービスは実を言うと非常に先進的で効率的だ。
今後、個人的にこういう不動産業者さんたちにスポットを当てるような取り組みをしていきたい。