会社組織の限界

働き方改革、副業解禁、残業禁止等々日本の働く環境は大きく変化してきている。ここにきて会社のガバナンスは、最早労働時間では縛ることができなくなっている。
たとえば1日8時間、特定の会社で働くことで果たしてどれだけの生産性を上げていくことができるのだろうか。満員の通勤の電車や、結論の見出させない打ち合わせなど、あまりにも時間を浪費することが多い。

おそらく10年以上前、働き方自体には大きな変化はなかった。それなのにここにきて何故働き方自体の考え方が大きくシフトチェンジしているのか。
それは、単純に「情報伝達」の大きな変革がこの10年に起こったからだ。もっといえばスマホとSNSの台頭である。
正直、家でも外でもあまり情報の取得は変わらない。打ち合わせもハングアウトやフェイスタイムで事欠くことはない。
(ただし、重要な打ち合わせや交流はなるべくフェイストゥフェイスがいまだに良い)
事務作業は、それ専用のアプリや、ツールでも問題ない。
これは10年前にはまだまだスタンダードではなかったはずだ。しかし、現在はほとんどの30代より下の世代は、プライベートでたくさんのツールを使いこなしている。
それを考えると、自分たちの世代のほうが会社よりツールを使いこなし、コミュニケーションを活性化させていれば、旧態依然とした働き方を押し付ける会社は、ストレートに言うと、時代錯誤に感じるだろう。
加えて情報伝達が速くなればなるほど、効率化が生まれていくと、最早時間で縛るという概念が逆転していく。会社が時間で縛る、規制を作るという概念より、個人がすべての自分の時間をコントロールしていくという概念
が優位に立っていく。

将来的に人はいくつもの職業、ミッションを持ち、プロジェクトに応じたチームを組んでいくことになるだろう。現在でもそういう傾向は強くなってきたが、それがスタンダード化していくと思う。
では、会社という組織は無くなるのかといえば、そんなことはない。会社はビジョンに共感できる人間が集まりそれを達成するプロジェクトを推進させるために必要だ。ただし、時間で縛る必要が無くなるということだ。時間に解放されてもまったく問題なく運営できるはずだ。

今後日本で働き方改革を推進するには、雇用保険や社会保険等を複数会社に所属する場合は、軽減できるような仕組み、また個人事業の税率軽減など諸々の措置が必要になってくる。ただ、残業を取り締まるだけだと、本末転倒になるかもしれない。ポイントは、やりたいことやチャンスの機会の創出、チャレンジの後押しが必要な制度改革だと思う。