不動産業界の進化論

 ここ最近は、時代の流れを感じながら、いろいろな企業、また改めて不動産の勉強に勤しんでいました。ネタも溜まってきたので、そろそろ復活させます。

 不動産賃貸業界は、閑散期ど真ん中。首都圏では空室が少なくなっているものの、相変わらず地方から都心からの流入は多くあります。しかしながら、新築物件は相変わらず建築しづらい環境にあり、中古物件は契約更新が多く、管理会社(戸数を確保している会社)は空前の業績好調、仲介会社は、アイデア、そして組織マネジメント、またマーケティングを駆使していない企業は、だんだんと苦戦している印象です。 

 また売買は言わずもがな、銀行の投資案件は相当融資を取るのが難しく、売却物件が少しずつダブついてきています。

 また不動産業界の社会的な問題も大きく取り沙汰されています。違法建築、また融資改竄などで不動産業界の周りの目はかなり厳しくなっているような印象です。

 あくまでイメージですが、私のような不動産業界にいるもの、また従事しているものにとっては、この1年間は、数年間の「問題が顕在化した時期」というところでしょうか。
 融資改竄や、ある意味、業界の不と言われることは、おそらく大多数の業界人の方々は、薄々気づいていたのではないかと思います。
 ただそれに対するメスが社会的に世間的に人の目に触れて、一気に顕在化したように感じます。

 これからもこのような潜在化している問題は、どんどん世に明るみになるでしょう。

 また不動産業界のIT化は進んできているのでしょうか。
 表面的には、なんだか足踏みしているような気がします。
 やはり賃貸集客はポータルサイト頼みの企業が多く、大きな変革は今のところ起こっていないような気がします。
 またスタートアップ系の不動産テック周りの企業さんも、まだブレイクスルーしている印象はあまり受けていません。勿論種々様々なサービスがあるので、一概に言えないところはありますが。

 では、不動産業界はIT化が進んでいないのか、と言われると、現場感では、実を言うと大きく変わってきているように感じます。
 

FAXが業務ツールとして使用することが減ってきました。


 スタッフ専用のスマホが支給される企業が多くなりました。


 チャットツールを使い、企業内コミュニケーションを行う企業も増えてきました。


 顧客とも今やLINEやmessengerを使うことが圧倒的に多くなりました。


 管理業務で基幹システムを導入する企業が増えてきました。



 現在、バリバリのIT会社からすれば、開いた口が広がらないかもしれませんが、実際、業界で使うツールは大きく変わってきています。

 勿論、AI、ブロックチェーン、仮想通貨、決済サービス、フィンテック系の事業革新は、全体的にあまり進んでいません。

 しかし、それでも数十年間ファックスボタンを押し続けた我々からすれば、意外にも不動産IT化は進んでいるように感じてしまいます。


 
 無理に最先端のものを導入するより、足元のITツールをアイデアを駆使し、使いこなし、業務推進に繋げていくことが、実を言うと、大事なことなのかもしれないと感じます。

 頭の中でいろいろ考えるより、今、手に持っているスマホ、ダウンロードしているアプリに解決策があるかもしれません。

 道具を使いこなしたものだけが初めて進化できます。