営業には、プロセスがあり、効果的なセールスステップを踏んでいけば、その効果は時として高く作用していく。また様々な心理的なテクニックを使うことで、その人との関係性構築をある程度、容易にすることができる。
とはいえ、いろいろと営業のかたにご相談を受けている時に、よく多いのが「クロージング」の課題だ。せっかく商談が盛り上がっていたのに、クロージングができず、要は「フワッと」終わってしまう。とはいえ、早く購入の了解を取りたくても、ゴリ押しの印象を持たれたくない。そうすると、なかなか落とし所のタイミングが掴みにくくなる。
その際に有効に利用できるのは、2つある。ひとつは、「ソクラテス式問答」という手法だ。
実際のこの手法は、かなりディベートなどで使われるやや大仰な手法なのだが、営業の際は、あくまで軽く使ってみた方が良い。
では、どのような手法かと言われると、至ってシンプルである。
それは、「質問をして回答を導き出すこと」。もっといえば答えを用意して、質問を繰り出し、答えに辿り着けるように進めることだ。
たとえば、営業マニュアルでなにかを売る時に企業はセールストークを作成するのだが、それともうひとつ、その答えを導き出すための質問を用意することで、クロージングの道のりを短くすることができる。
実際に営業の人間が喋り続けると、かなりの確率で購入者の気持ちは離れていく。うまく質問を繰り返し、クロージングの扉まで近づくことで、その確率を上げることができる。
よく営業指導なので、どのように購買者をオトすかの話し方を指導されている企業があるが、話し方と同時にどのような質問を繰り出すか、も策定したほうが良いかもしれない。
(ちなみに質問の内容では、決して相手を否定するようなことは言わないこと。そうすると全くこの手法は作用しなくなる)
また2つ目だが、間を取ることだ。クロージングのタイミングで畳み掛けるのではなく、少し時間を置く。そして5秒間の沈黙でキラーワードを伝える。人間は沈黙を嫌う傾向があり、5秒程度の沈黙で相手は焦ってしまう。そこを後押しすると、意思決定はシンプルに取ることができる。
まずはクロージングのタイミングが来たら焦らないこと。そして答えに迫る質問を展開させ、沈黙後にキラーワードを伝える。そうするとクロージングの確度は上がる。
是非実践してみてほしい。
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