shoe dogは、最高の冒険小説

 ビジネス書でベストセラーになっているNIKE創業者のフィルナイトの「shoe dog」。
本屋でも平積みされており、とても話題になっている。
早速、読んでみたが、これはビジネス書というより、まるで冒険小説のような面白さだ。正直言って、彼の事業戦略を真似するとかなりの確率で失敗する。投資やマネジメントなど、失敗に次ぐ失敗を重ねているが、物語の力がそれを凌駕している。
昔から海外の小説が好きだ。特にスティーブンキングのような歯切れの良い言葉のリズムや独特の乾いた空気がとても好きだ。
この本もまさに言葉のリズムが良く、それがページをめくる速度を速めている。

学校を卒業し、世界中を旅しながら、日本のオニツカの販売代理を行い、販路を広げながらも数々のトラブルに巻き込まれていく。
この感じ、どこかで読んだことあるなと思っていたら、百田尚樹の「海賊と呼ばれた男」に近い。その海外バージョンのような印象だ。500ページ近い分量のある本だが、一日で読み終えたぐらい面白い。

何も彼が一代でブランドを作ったから面白いのではなく、やはりブレない強さや苦境を乗り越える力に惹かれるから面白いのだと感じる。それは起業しようがサラリーマンだろうが関係なく、人ひとりが物語るということに強みを感じる。
どういう生きかたをするのか、それを決めるのは本人次第だ。
これを読んだ後、「JUST DO IT」という文字を見かけると思わずニヤリとしてしまう。

NIKEしか買わないぞ、と思ったほどブランド向上に一役買った名著だと思う。

ちなみにNIKEの創業時のメンバーは、ほぼ全員が士業だったのが、とても印象深い。元々優秀な人たちの集団だったのだろう。またそれが成功の要因だったのかもしれない。
しかし、それでも物語のなかでは、彼らはギャングのような格好良さだが。笑


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