「殿、利息でござる!」は、最高の経済映画。

最近ではめっきりクラウドファンディングが流行り、社会活動家のかたもスポットを当たるようになり、資金を集めやすくなっている。
良い時代になってきた。ひと昔前では考えられないぐらい個人の思いを発信できるようになったおかげで、時代の流れはとても早くなっている。

つい数週間前に、「殿、利息でござる!」という映画を見た。原作は歴史家の磯田道史氏。有名な歴史家のかただ。原作も読んだこともあるのだが、映画のほうがとてもわかりやすく面白く鑑賞できる。

ストーリーは、江戸時代の中期の仙台藩の話。毎年の年貢に耐えられなくなった百姓たちが資金を集め、当時敷設工事を行おうとしていた藩主に資金を貸し付け利子収入で、村の財政の復活、負担軽減を目指す物語だ。

複利、という発明は、まさに人類史に残る発明だが、これを庶民が実践しようとしていたこの実話の映画は、とても多くのことを教えてくれる。
また、単純にこの映画は、利子の話ではなく、庶民の利他の話が色濃く影響している。
とある登場人物は、全ての財産を投げうち、このプロジェクトに投入していく。
確かに全てを賭けてひとつの事業に投資する人は、殆ど現代でも皆無に近い。しかしこの映画では、他人のために全てを投げ打つ日本人の美しさを描いている。
経済の原理では、お金というものは、お金自体を走らせることでその価値の増加を生み出していくのが原理だが(だいぶそれ自体の概念も変わってきた)、そうはいってもその最初の走らせ方は、とても重要だ。
事業においても、誰が、どのように走らせるかで、その後の事業のスピードや投資性質も変わっていくように感じる。

お時間あるときに是非一度鑑賞して欲しい。


南総合研究所

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